ドイツ語は主としてドイツ、オーストリア、スイスで使用されている言語で、EU域内では最大の話者をもっています。ドイツ語圏の国々は近代以降、哲学や音楽、自然科学など、科学・思想・芸術のさまざまな分野を牽引してきましたが、それは、周囲の国や過去の遺産から必死で学び、もがき苦しんだ成果でもありました。ドイツは政治的には、統一国家の成立が遅れた後進国だったのです。後進国であるがために、20世紀には大きな過ちも犯しました。しかし現在のドイツは、そうした負の歴史に対しても真剣に向き合おうとしています。
ドイツ語は、日常言語がそのまま学術用語でもあるため、コミュニケーションの言語としても、書物の言語としても、大いに皆さんの力となるはずです。異なる意見に耳を傾け、難問にも真摯に向き合い議論する人たちの言葉を学んでみませんか。