電子線を数ナノメートルの大きさに絞り、観察対象の表面を一様になぞることで、その表面の細かい形状や組成を調べることができます。物質に当たった電子は弾性散乱をしたり、非弾性散乱でエネルギーを消費したりして反射されます。このような跳ね返された電子を測定することで、形状や組成を調べることができるのです。また、物質に衝突して失われた電子のエネルギーは、物質特有のエネルギーのX線として放出されるので、X線のエネルギーを計ることで物質がどんな元素から構成されているかを調べることもできます。
この装置は物理学科の学生実験で使用しており、装置の原理を理解した上でCDの表面や花粉、原生生物など生物試料の微細構造を観察する実験を行います。また、素材の元素分布や、金属が破壊された断面を調べるなど研究にも使用しています。この顕微鏡は水分をある程度含んだ試料も観察することができるので、生物研究にも使用しています。
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