Go Forward

学部長挨拶

論理的思考力(リーガル・マインド)の修得と自己のダイナミズムの発見

法学部長 博士(法学) 長坂 純

大学での学びの本質は「真理の探究」にあるといわれます。そして、法学部では論理的思考(リーガル・マインド)を養うことを目標とします。問題を抱える種々の社会的事象の中から、学生諸君自らが研究テーマを見つけ、自らあらゆる手段を駆使して徹底的に調査・検討し、自らあるべき解決方向性を見出して発展させていくという姿勢が必要です。それを支えるのは、広く、深く国内外の英知に触れ、それをもとに新たな道を拓いて行こうとする精神です。

 法学部の前身である明治法律学校は、1881年、フランス革命の成果である近代法の理念に共感した3名の若き法学徒により創立されました。その趣旨は、西欧近代法をわが国に定着させて個人の権利を擁護し自由な社会を実現するために法的素養のある市民を育成することにありました。これが「権利自由」「独立自治」を建学の精神とする由縁です。その後、法学部は、今日まで140年以上にわたりこの精神を体現した有為な市民と法曹および法学研究者を多数輩出し、さらに、わが国で最初に女性に法学教育の門戸を開き、わが国における法学研究を牽引してきました。現在、法学研究者の養成を主たる目的とする大学院法学研究科および実務家法曹の養成を専らとする法科大学院(専門職大学院法務研究科)も併設され、明治大学はわが国有数の法学教育・研究拠点となっています。

 法学部では、広い教養教育を前提に法律の専門知識を伝授する体制が組まれています。そして、学生諸君の希望進路に沿って最も効果的な科目を配置した5つのコースを設置しています。また、高度な専門知識の伝授に不可欠な少人数からなる演習科目を実施してきた長い伝統があります。
 明治大学法学部は、建学の精神を踏まえた法学の教育と研究の「場」であり続けるという伝統を自覚して、各人が大いなる知的好奇心をもって法学研究に励まれることを希望します。これこそが正に自己の持つダイナミズムの発見です。