Go Forward

研究・知財戦略機構

【研究・知財戦略機構】田島道夫特任教授が、第12回材料科学技術振興財団山崎貞一賞(計測評価分野)を受賞

2012年09月27日
明治大学

田島道夫研究・知財戦略機構特任教授(独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所・名誉教授を兼務。)が、第12回(平成24年度)一般財団法人材料科学技術振興財団山崎貞一賞(計測評価分野)を受賞しました。
 なお、山崎貞一賞とは、論文の発表、特許の取得および方法・技術の開発等を通じて、実用化につながる優れた創造的業績をあげた者に表彰されており、「材料」、「半導体及び半導体装置」、「計測評価」、「バイオサイエンス・バイオテクノロジー」の4分野のそれぞれにおいて、毎年1件が選考されます。

 受賞の題目および理由は、次のとおりです。
・題 目:
 フォトルミネッセンスによる半導体結晶計測評価法の開発と標準化
・理 由:
 田島特任教授は、1978年、レーザー光を用いたフォトルミネッセンス法によりSi結晶中の不純物起因の発光のSi固有の発光に対する強度比が不純物濃度にほぼ比例して増大することを見出しました。本手法はそれまで一般に用いられていた赤外線吸収法と比較して、感度、空間分解能共に2桁以上高い画期的なものであり、特に検出感度については原子比で80ppq(8×10-14)という驚異的な値を示しました。
 また、本手法の標準化を目指して、世界規模のラウンドロビンテスト(多数の試験機関に同一試料を回して評価する共同作業)を企画・実施し、国内標準(JEIDA-45規格)は元より世界的に権威のあるASTM F1389-92規格「Standard Test Methods for Photoluminescence Analysis of Single Crystal Silicon for Ⅲ-Ⅴ Impurities」の制定を実現しました(1992年)。
 さらに田島特任教授を中心とする関係者の尽力により、この評価法は1996年に国内ではJIS H0615としてさらには国際規格SEMI MF 1389-0704として広く半導体製造における評価基準として活用され現在に至っています。
 なお、本手法はSiのほか、GaAsさらにはパワーデバイス用として注目されているSiC等の半導体結晶中の評価にも拡張されています。

<参考リンク>
一般財団法人材料科学技術振興財団 山崎貞一賞公式サイト

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)公式サイト

一般財団法人日本規格協会(JIS)公式サイト

ASTM International公式サイト

Semiconductor Equipment and Materials (SEMI) International公式サイト