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研究・知財戦略機構

村上周一郎准教授(農学部農芸化学科)がアジア最大級の食の見本市で産学連携研究成果の「エイジングシート」をPR

2018年03月24日
明治大学 研究・知財戦略機構

「エイジングシート」を手に、研究成果を紹介する村上准教授「エイジングシート」を手に、研究成果を紹介する村上准教授

一般社団法人日本能率協会や日本ホテル協会、国際観光日本レストラン協会などが主催するアジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN 2018(第43回 国際食品・飲料展)」が3月6日~9日に、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されました。
オーガニック理念に基づき、安全で美味しい食肉の輸出業務を行うマクセイ インダストリー コーポレーション(本社:アメリカ)代表取締役の柴田清一氏(1971年政治経済学部卒)の呼びかけで同展示会に参加した農学部の村上周一郎准教授は、㈱フードイズム(本社:東京都渋谷区、代表:跡部美樹雄氏)との産学連携による共同研究で開発した日本初の発酵熟成肉製造技術「エイジングシート」(特許出願中)をブースに訪れた来場者へ紹介しました。

食の魅力を発信し、出展者と来場者双方のビジネス拡大や国内外の販路開拓に絶好の場として、1976年より毎年開催されている同展示会は、今回で43回目を迎え、過去最大規模となる90の国と地域から約3350社が出展し、来場者数は7万2428人となりました。

微生物化学を専門とする村上准教授は、㈱フードイズムとともに、「エイジングシート」を安定的に製造し、販売・展開することを目的とした明治大学発ベンチャー企業・㈱ミートエポック(本社:神奈川県川崎市、代表:跡部氏)を生田キャンパス・地域産学連携研究センター内に設立しました。「エイジングシート」は、肉の熟成に利用できる人体に無害な“カビ”を純粋に培養し、回収した胞子を減菌した布に付着させたものです。従前は、熟成肉を作る環境を整える庫を作るのに約1年、その庫で熟成させるのに約100日間と長期間を要し、劣化・腐敗のリスクもありましたが、このシートで包まれた肉は、熟成に必要な“カビ”が短期間で増殖し、それにより腐敗防止と肉の熟成が促進され、安定して約30日間と短期間で発酵熟成肉を製造することが可能となります。

「エイジングシート」を使用した『発酵熟成肉』の商品には、明治大学と㈱フードイズムの共同研究の成果である発明が用いられていることを示す認定書(認定マーク)が与えられます。国内外の取引先企業の取扱店では、店頭や販促物に掲示することにより、差別化が可能となります。

ブースに掲示されているポスターに明治大学のロゴを見つけ、村上准教授の説明を聞いた来場者は、大学の研究成果に驚いた様子でした。昨年秋より、発酵熟成肉の商品が続々と展開されており、本展示会での成果も今後ますます期待されます。