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教養科目 社会思想史

担当教員が語る授業のポイントと受験生へのメッセージ

社会思想史 山泉 進 教授

山泉 進 教授

不思議と思われるかもしれませんが、「社会」は明治時代の初めに作られた言葉です。それまでは、「世の中」という言葉を使っていました。
「社会」は、societyの翻訳語として作られましたが、自由で平等な個人が主体となって契約によって成り立っている人間の組織を意味しています。したがって、身分秩序によって成り立っていた「世の中」とは違ったものであることを翻訳者たちは理解していたことになります。
 近代社会は、フランス革命の時の「人権宣言」を思い浮かべてみればイメージできると思いますが、独立した、自由で平等な個人からなりたっています。そのような社会のうえに資本主義が発展し、産業革命がおきました。
 社会思想史は、近代社会がどのようにして生まれ、現代の社会へと変貌してきたのかを考える科目です。法律もまた、社会のなかで作られています。法律学を勉強するためには、社会の歴史を知っていればそれだけ理解が深まります。