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水戸市役所 北井文規さん(2008年卒業)

水戸市役所 北井文規さん(2008年卒業)

プロフィール



2008年に明治大学法学部を卒業後、水戸市役所に入庁。
現在、建設部生活道路整備課に所属し、入庁15年目。
法学部生時代はマンドリン倶楽部で全国での演奏会に飛び回る生活を送っており、笹川紀勝先生(憲法)のゼミナールに所属。


現在の仕事内容について教えてください。



水戸市は、令和2年に中核市に移行した自治体で、市民の暮らしに密接した様々な業務を行っております。
その中で私の部署は幅員が4メートル未満の狭い道路の拡幅工事を行っており、私自身は、主に、道路用地の測量業務の監督、整備に必要な土地(用地)を市民から取得するための交渉業務、補償費の算定と支払いなどを担当しております。
広くて通りやすい道路が増えていき、多くの市民の皆さんが、快適に暮らせることを目指して、日々、業務をしております。


現在の仕事を選んだきっかけは何ですか?



大学在学中から、法学部で学んだ知識を活かし,社会に貢献できるような公共的な仕事をしたいと考えておりました。東京に出てきたことで、あらためて地元である茨城県水戸市の良さに気づき、一方で、地元の中心市街地の空洞化や街中の衰退などが進むのを目の当たりにし、大学で学んだ知識を活かし,地元に貢献したいと思ったのがきっかけです。


現在の仕事について、学生時代に抱いていたイメージとのギャップはありますか?



学生時代は、公務員というのは、机に向かって事務的な仕事をするイメージが強かったのですが、実際には、それよりも、もっと、多様な業務があり、むしろ、1日中、外に出ているような仕事も多いということです。また、公務員は、土日が休みだと思っている学生さんが多いかもしれませんが、実際には、災害対応、選挙事務、まつりやイベントの運営など、一般の市民の方々が休んでいる時だからこその公務員ならではの仕事というものが、意外と多いことに気づかされました。


仕事をしていて一番嬉しかったこと(思い出に残っていること)はありますか?



市民の方々から感謝の言葉をかけられるというのが一番嬉しい瞬間です。私は、以前、観光の部署に所属していたことがあるのですが、主催したウォーキングイベントが、東日本大震災の翌年であったこともあり、参加者がなかなか集まらず、コースの安全性の確保も不安であった中、なんとか開催し、終了後、参加者の皆さんが、「開催してくれて、ありがとう。」と言ってくださったことが、思い出に残っております。


仕事をしていて一番つらかったことや苦労したことはありますか?

市民の方々の価値観や要望も一律ではなく、様々なものがあります。行政が行う仕事に対し、市民の価値観が真っ二つに分かれている場合、行政としては、どのように仲裁、説得をすれば良いのかというのは、難しい問題であり、今も答えが見えていない問題です。私は、以前、空き家対策の部署に7年間おりましたが、その中でも、空き家の問題を解消して欲しい近隣住民と遠方に住んでおり経済的な余裕がなく対処ができない所有者の2つの価値観に挟まれ、難しい思いをしました。どっちつかずでも、「行政は何もしないのか。」と双方からの不信を招き、クレームに繋がる可能性もあります。解決に繋がった例もありますが、後味の悪い結果に終わってしまったものもございました。


学生時代の学びが現在の仕事に活かされていることはありますか?

現在の仕事においても、在学時に学んだ物事を法的に捉える思考が活きていると思います。仕事をしていく上でも、この仕事は、市民のどういう権利を保障することに繋がるのか、これをすることで、市民のこういった権利を害することにならないか,などと常に法的な観点から自問自答するようにしています。


学生時代の経験から、おすすめの授業やプログラム等はありますか?

金融取引法Ⅰ・Ⅱ(松本貞夫教授)・・・全国銀行協会での実務の経験もある教授による講義で、民法などの私法が、実際に銀行取引では、どのように運用されているか、約款では、どのような制約をかけているかなど,豊富な実務知識を踏まえた授業で、金融機関への就職も考えていた私にとっては、とても興味深かったです。
憲法特講Ⅰ・Ⅱ(笹川紀勝教授),民法特講Ⅰ・Ⅱ(新美育文教授),刑法特講Ⅰ・Ⅱ(阿部力也准教授)・・・それぞれ、司法試験を目指している方が受講することが多いと思いますが、演習やケーススタディを中心としており、最新の論点や教授の研究分野などに沿った高度な議論が繰り広げられ、思考のトレーニングになりました。司法試験の受験を考えていない方にもお勧めです。

※上記、退任された先生、開講していない科目もあります。

最後に、明治大学法学部受験生に向けてメッセージをお願いいたします!



明治大学法学部には、個性豊かな教授陣が揃っています。ここで学んだ法的思考(リーガル・マインド)は、必ず、その後の人生の糧となります。1881年の明治法律学校開校から続く伝統の明治大学法学部に、ぜひ、御入学ください。