ケンブリッジ大学コーパス・クリスティ・カレッジ夏期法学研修
Law in Japan Program for サンパウロ大学 Online 2025 を開催しました
2025年08月08日
明治大学 法学部
二宮先生からの開会のご挨拶
長坂先生によるご挨拶
二宮正人先生による通訳
横田先生による講義風景
メンクハウス先生による講義風景
「Law in Japan Program forサンパウロ大学Online 2025」(法学部主催)が7月1日~12日に実施され、ブラジルをはじめ世界各地から連日約120名以上の参加者がオンラインで参加しました。
「Law in Japan Program」は日本法を英語で学ぶ短期留学受入れプログラムで、2009年以降毎年実施しています。今回は、サンパウロ大学法学部(ブラジル)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の共同事業である日本開発研究プログラム(フジタ・ニノミヤチェア)が実施する日本理解促進のための全10日間のオンライン特別講義(フジタ・ニノミヤチェア日本法短期教養講座)に協力し、5日間の授業を本学教員が提供するかたちで実施しました。
7月8日の授業開始前には、長坂純法学部長よりご挨拶があり、サンパウロ大学法学部の二宮正人先生がポルトガル語に通訳されました。
そのなかで、この短期プログラムは、海外の皆さんが現代日本の法制度の特徴を、社会的、文化的、歴史的な文脈のなかで理解できるようになることを目的とするプログラムであり、今回このプログラムに参加するみなさんが、日本法と日本社会に関心をもち、日本とブラジルの間の「かけ橋」となってくださることを期待していると、期待を込めました。
本学学生も「Law in Japan Program forサンパウロ大学Online 2025」(法学部主催)に参加
【参加者の声】
法学部1年生・ 山田 青空さん
「今回のプログラムには、英語を母語としない方が、高校までの内容とは異なる専門性の高い授業を行ってくださると知り、興味を持ち、参加を決めました。授業を受ける中で、自分の英語力の未熟さや、法律に関する難解な単語の多さを痛感しました。授業内容は主に日本とブラジルの法律に関連するもので、まだ勉強していない内容は理解することが少し難しく感じたりもしましたが、SDGsについて法の観点からの取り組み方や日本国憲法の歴史など、僕たちにとって身近で関心を持ちやすいテーマの授業もあり、とても充実した10日間となりました。授業後の質疑応答の時間では、同じく1年生の海外の学生が質問をしていて、質問の内容とその積極性に驚かされました。参加者の多くが英語を母語としていないにもかかわらず、授業の進行や質疑応答が円滑に行われていたことも印象的でした。国際関係に興味のある僕にとってはとても刺激になり、この経験を糧にして語学と法律の勉強を頑張っていきたいです。」
博士後期課程 グローバル・ガバナンス研究科2年生-ALI ADNAN SKHAWAT さん
「Attending the Law in Japan Program 2025 was a truly enriching experience. The program provided a comprehensive understanding of Japan's legal system through insightful lectures, expert-led discussions, and engaging sessions. I particularly appreciated the interdisciplinary perspectives offered, especially the session on AI use in administrative law: from the aspects of regulation and utilization, which opened new avenues of thought for future research. I am grateful to Meiji University for organizing such a well-structured and intellectually stimulating program that fostered both academic learning and cross-cultural exchange.」
二宮先生からのコメント
「サンパウロ大学(USP)法学部は、かねてから明治大学法学部に提携関係にありましたが、2019年にJICA(国際協力機構)からフジタ・ニノミヤ・チェアの寄贈を受けました。それまでにも、数回にわたって対面式でのLAW IN JAPANに参加させていただいていましたが、明治大学の学生の皆さんにも参加していただく、オンラインでのフジタ・ニノミヤチェアの日本法プログラムは今年で6年目になります。
日本側から小室輝久先生をはじめとする5人の先生方に講演をお願いし、ブラジル側から林禎二駐ブラジル日本大使、柳澤勇人ブラジル三井物産社長、宮崎明博JICAブラジル事務所長、JOSE AUGUSTO FONTOURA COSTAサンパウロ大学教授(前明治大学比較法研究所客員研究員)と二宮が講演させていただきました。連日100名から150名のオンライン参加者を数え、明治大学の学生からも活発な質問がありました。今後ともよろしくお願いいたします。」
Low in Japan for サンパウロ大学オンライン2025 プログラムスケジュール
【前半】 フジタ・ニノミヤチェア日本法短期教養講座
日付 | 担当者名 | 講義テーマ |
7月1日(火) | 林禎二(駐ブラジル日本国特命全権大 使) |
近時の国際情勢と日伯関係 Recent international affairs and Japan-Brazil Relationship |
7月2日(水) | Jose Augusto Fontoura Costa(サン パウロ大学法学部教授・元明治大学比較 法研究所客員研究員) | ブラジルと日本の憲法の比較研究 Comparative Study of Brazilian and Japanese Constitution |
7月4日(金) | 柳沢勇人(三井物産株式会社専務執行 役員兼ブラジル三井物産株式会社社 長) |
日本企業によるブラジル事業 Japanese companies' business operations in Brazil |
7月5日(土) | 二宮正人(サンパウロ大学シニアプロフェッ サー・ブラジル連邦共和国弁護士・元明治 大学法学部客員教授) | 国際移民:日系ブラジル人労働者について International Migration—Nikkey Brazilian Workers |
7月9日(水) | 宮崎明博(独立行政法人国際協力機構 (JICA)ブラジル事務所長) | 国際協力におけるJICA の取組み JICA's Initiatives in International Cooperation |
【後半】 本学が提供する講義
日付 | 担当者名 | 講義テーマ |
7月3日(木) | 横田 明美 (法学部教授) | 行政法における AI の利用 AI Use in Administrative Law |
7月8日(火) | 松原 有里(商学部教授) | 税とテクノロジー Tax and Technology |
7月10日(木) | 小室 輝久 (法学部教授) | 刑事司法における更生・社会復帰・再犯 Rehabilitation, Reintegration and Recidivism in Criminal Justice |
7月11日(金) | メンクハウス ハインリッヒ (法学部教授) | 日本の会社法 Company Law in Japan |
7月12日(土) | 水田 周平 (法学部専任講師) | 日本における国際法:最終発言権を持つ のは誰か? International Law in Japan: Who Has the Final Say? |
法学部では、今後も本学の学生そして世界中の学生に法学の面白さを知ってもらえるようなプログラムを提供していきます。