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総合数理学部

【総合数理学部】先端メディアサイエンス学科 宮下芳明教授・4年の村上崇斗さん・大友千宙さん・深池美玖さんが「TTTV3」でエンタテインメントコンピューティング2023で優秀研究賞を受賞

2023年09月12日
明治大学 総合数理学部

宮下研は6件の受賞を果たした宮下研は6件の受賞を果たした

登壇発表の様子登壇発表の様子

表彰式の様子表彰式の様子

2023年8月30日~9月2日に東京工科大学で開催された情報処理学会EC2023(第21回エンタテインメントコンピューティング)において、先端メディアサイエンス学科 宮下芳明教授が、同学科4年の村上崇斗さん・大友千宙さん・深池美玖さんと共著の研究「TTTV3 (Transform The Taste and reproduce Varieties): 産地や品種の違いも再現する調味機構と LLM による味覚表現」についての登壇発表を行い、優秀研究賞を受賞しました。 この優秀研究賞を含め、宮下芳明研究室はこの学会で6件の受賞を果たしました。

TTTV3は、これまで宮下教授が開発してきた味覚ディスプレイの最新版で、産地の違いも再現する精度が特徴です。8月31日・9月1日には、「TTTV3を用いたワインの味表現」(デモ最優秀賞)、「産地の異なるカカオの味の違いを定量化し純物質で再現する手法」(デモ優秀賞)のデモンストレーションを行っており、その再現性の高さが好評を博していました。

登壇発表は9月2日に宮下教授によって行われ、味センサによる定量化のみならず、プロによる評価・監修によって実施していること、一味に対して複数の溶液を用いることで風味を近づけていること、中和剤で酸味を抑制したり、他の味によるマスキング効果を利用したりして特定の味を抑制する「味の減算」を行っていることなどを説明しました。

さらに、TTTV3は音声入力で料理名を伝えたり、ウェブカメラに料理の写真を見せることで、LLMによってその味を推定し出力する機能を備えています。この登壇発表において、宮下教授は「TTTV3なしでもLLMと対話して味を探るためのマニュアル」を聴講者に電子配布して、聴講者がAIによる味探索を体験できるようにしました。

宮下芳明, 村上崇斗, 大友千宙, 深池美玖. TTTV3 (Transform The Taste and reproduce Varieties): 産地や品種の違いも再現する調味機構と LLM による味覚表現. エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2023論文集. Vol.2023, pp.236-243, 2023
概要:TTTV3は,20種の溶液を 0.02ml単位で混合し加えることで飲食物の味を変える調味家電である.一味に対して複数の溶液を用いて風味を近づけることができ,産地による違いも再現できる.アルカリ性物質の添加による中和,味覚修飾物質の活用,他の味によるマスキング効果を利用することで元の食品の味よりも特定の味を薄く感じさせる「味の減算」も行える.料理名をマイクで入力したり,画像をウェブカメラで見せたりすると, LLMによって味を推定して出力することが可能である.また,LLMと対話して味を調整することもでき,膨大な味空間のなかで未知の味を探索することもできる.

【研究動画】