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本学における大学拠点接種開始に当たって(学長メッセージ)

2021年8月13日

明治大学長 大六野 耕作

本学における大学拠点接種開始に当たって(学長メッセージ)

 本学における大学拠点接種を巡る状況について、これまでに2度、HPを通じてご報告してまいりましたが、この度、関係省庁間の調整が整い、8月30日から新型コロナウイルスワクチンの拠点接種を開始できるとの連絡がありました。

 本学でのワクチン接種をご希望の方は、このメッセージと共にお知らせする「本学における新型コロナウイルス大学拠点接種について(第四報)」をご確認くださいますようお願い申し上げます。

 なお、累次のお知らせの中でもお伝えしております通り、ワクチン接種はあくまでも任意であり、ワクチンを接種しないことで不利な扱いを受けることは全くありません。皆様にもワクチン接種を望まない方が同調圧力を感じるような言動がないよう、改めてお願い申し上げる次第です。

 本学が接種拠点となることを選択した理由は次のとおりです。1)特効薬といえるほどの治療薬がない状況では、感染防止・重症化防止等に大きな効果が期待できるワクチン接種が、当面、最も有効な対策であると考えられること、2)行動範囲が広く活動量も多い20〜50歳代のワクチン未接種者で感染が拡がっていること、3)この年齢層におけるワクチン接種を加速することが社会全体の感染率・重症化率を低下させ、ひいては新型コロナウイルス感染症の収束につながることが期待されること、4)この意味で、学生・教職員等へのワクチン接種の社会的意義は大きく、また、安全で活力ある学園を取り戻すことにも大きく貢献すると考えられること。

 こうした理由から、本学は5月末からキャンパスにおけるワクチン接種の可能性について検討を始め、大学拠点接種の具体的な計画が発表された6月8日以降、接種会場の準備、ワクチンの打ち手となる医師・看護師等の確保に注力し、その目処がたった 6月23日に厚生労働省に申請を完了いたしました。ところが、そのタイミングで、1)大学拠点接種を含む職域接種に対して厚生労働省の予測を超えた申請があったこと、2)4月から7月にかけてのモデルナワクチンの供給量が厚生労働省の当初見通しを大幅に下回ったこと等から、ワクチン接種開始時期が数次にわたって延期され,今日に至った次第です。

 以上のように紆余曲折はありましたが、本学では9月1日からワクチン接種を開始いたします。このワクチン接種により、本学が目指している対面を中心とした授業運営や、海外提携校等への留学、サークル活動等の課外活動がより安全に再開できるようになると期待しています。しかし、今回使用する武田・モデルナワクチンは大変効果の高いワクチンですが、初めの接種から4週間をおいて2回目の接種を受けることが必要です。また、十分な中和抗体ができるためには、2回目の接種からさらに2週間以上を要するとされています。また、これまで感染の主流であったベータ株(イギリス株)は、より感染力の高いデルタ株(インド株)にほぼ置き換わっています。モデルナ・ワクチンは、デルタ株に対しても依然として有効(重症化リスクを下げる)であるものの、感染防止・発症防止効果は、これまでよりも低下するとされています。したがって、ワクチン接種後も感染が収束するまでの期間は、自分を守り、大切な家族や友人を守るために、「感染しない。感染させない。」の原則に従って行動していただくことを心よりお願いいたします。

 新型コロナウイルス感染症収束への明確な道筋が見えず、度重なる緊急事態宣言等の発出で長期間に渡って自由な行動が制限され、多くの方が閉塞感に苛まれているとは存じますが、今回の感染症を乗り越えるためには、何にもまして私達の感染防止意識と行動変容が欠かせません。

 自由で活力に溢れた学園を取り戻すために、ワクチン接種を受ける、受けないに関わらず、皆様のご協力を引き続きお願いいたします。
以 上