明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の小松孝徳准教授が、「HAI(Human-Agent Interaction)シンポジウム2015」において、Impressive Poster Awardを受賞しました。
小松准教授は、「ロボットの道徳的な責任は使用者や設計者にまで及ぶのか?」との題目で研究論文を発表し、参加者による投票結果に基づく運営委員会での審査の結果、印象に残る優れた研究と評価され、同賞の受賞に至りました。なお、受賞式は、2016年12月3日と4日に開催されたHAIシンポジウム2016の中で行われました。
論文題目:「ロボットの道徳的な責任は使用者や設計者にまで及ぶのか?」
研究内容:「とある鉱山にてトロッコが暴走を始めた。このままだと前方で作業している5人の作業員を轢いてしまう。トロッコの進路を切り替えれば、この5人を助けることができるが、切り替えた先で作業をしている別の1人の作業員を殺してしまうことになる」というモラルジレンマ状況(トロッコ問題)に置かれたロボットが、トロッコの進路を切り替える場合と切り替えなかった場合、これらのロボットに対してどのような道徳的評価がなされるのかを調査する思考実験を行い、この結果を先行研究である米国の研究と比較した。その結果、一般的なトロッコ問題では、行為者になされる道徳的評価に文化差は存在しないと考えられていたが、行為者がロボットになることでその道徳的評価に文化差が影響するという可能性が示唆された。