【派遣プログラム】
情報コミュニケーション学部設置科目「国際交流(タイ)」の履修者が、タイ・バンコクにて派遣プログラムを行いました。本プログラムは本学部の協定校であるシーナカリンウィロート大学(SWU)との短期学生交流プログラムです。事前学習、派遣プログラム、帰国後の事後学習を含め、「国際交流(タイ)」(2単位、通年科目扱い)を修得することができます。
本プログラムの交流相手は、タイで日本語と日本の文化や社会を学んでいる学生たちです。よって、研修で使う主たる言語は日本語です。このことは、今後、国際経験・異文化経験が一層必要とされるようになる社会情勢のなかで、これまで内向きだった学生にも、不安を払拭し、海外に目を向けてもらうのに大きな役割を果たしています。
今年度は、「国際交流(タイ)」履修者の情報コミュニケーション学部生19名(1年生7名、2年生8名、3年生1名、4年生3名)が参加し、8月24日から9月7日の日程で行われました。渡航前の早い時期からタイ側の担当学生(「バディ」)が決められ、グループワークから観光まで、研修期間中、できるだけ同じ学生が一緒の時間を多く過ごすよう工夫がされました。授業ばかりでなく、課外も含めて長時間、タイの学生たちと親密に交流することができました。日常のたわいない会話からもそれぞれが多くの「気づき」を得られたのではないでしょうか。
このプログラムの重要なアクティビティとしてタイの学生との混成グループによる「合同発表」があります。参加者はタイの学生らとのグループワークで、SDGsの観点から、タイや日本の社会について考え、現状および課題について考察を行い、必要なフィールドワークを行いその成果をまとめて発表します。今年度は以下のようなテーマ・内容で発表が行われました。
1. センセープ運河の水質改善
センセープ運河は、渋滞のない都心への便利な交通手段になっている運河。シーナカリンウィロート大学にも船着き場がある。この運河の汚染の現状を調査し、適切な解決策を考える。
2. ジェンダー平等について
タイのLGBTQの人々が抱える困難や課題について。当事者へのインタビューに基づいて考察する。日本より多様性に寛容であるように思われているタイの実際はどうか。
3. タイのリサイクルとリユースの現状
バンコクの3拠点の訪問とインタビューを実施。回収・買収の仕組みと「その後」をたどる。
4. タイの子どもの安全 リスクと対策 日本と比べて何が違うか
小学校への訪問調査・視察、インタビューを実施。登下校時の交通安全、防犯、洪水などの災害対策(防災訓練など)について。
5. オイクワン運河と荒川の汚染問題に対する政府の対策の比較
汚染の現状と、どのような対策が実際に行われているかを調査。日タイ政府・自治体の施策や対策や取組みについて相違を報告する。
6. 大学におけるプラスチックごみの分別について
大学においてペットボトルが正しく分別されていない原因を考察し、よりよい分別とリサイクルを行う方法を考察する。
7. ヤワラートの飲食店のゴミ管理
「中華街」として知られる観光地のゴミ処理の問題に焦点を当てる。飲食店から出るゴミ管理の現状と課題。どのような工夫がされているかを調べ、一層の改善をはかる提案をまとめる。
8. タイの交通事故多発の問題
事故件数・死亡者数、事故原因、交通手段について道路環境やバイク利用者の多さの影響を考察する。事故多発地域での街頭インタビューやアンケート調査を実施し考察する。
発表は、研修のまとめとして、シーナカリンウィロート大学のキャンパス内にある明治大学アセアンセンターで行われました。
また、今年度は、バンコクで活躍する本学卒業生4名(うち2名が情報コミュニケーション学部出身)が、登壇しパネルディスカッション形式で海外も視野に入れたキャリア形成について、参加学生らに積極性を促すような催しも行われました。
2026年度の主なプログラムは以下の通りです。
≪2026年度アセアン学生交流派遣プログラムスケジュール(一部紹介)≫
8月24日(月)バンコク到着
8月25日(火) シーナカリンウィロート大学(SWU)にて開講式、学内紹介、合同発表準備① グループ顔合わせなど
8月26日(水)合同発表準備② タイ側のSDGsグループ・プレゼンテーション(8組)、合同発表準備③ 日本側のSDGsグループ・プレゼンテーション(4組)
8月27日(木)タイ語講座 (明治大学アセアンセンター)、パネルディスカッション「海外で働く」 卒業生4名参加
8月28日(金)文化交流 タイ文化紹介・体験
8月29日(土)自由行動日
8月30日(日)自由行動日
8月31日(月)合同発表準備④ テーマ、フィールドワーク先検討、合同発表準備⑤ フィールドワーク実施
9月1日(火)SWU学生との市内観光ツアー(小グループに分かれて実施)
9月2日(水)合同発表準備⑥ 進捗報告・準備作業継続
9月3日(木)タイのSDGsの取り組み - タイ リサイクル業者の実施事業紹介、合同発表準備⑦ 発表準備作業
9月4日(金)合同発表・修了式、参加学生スピーチ(SWU学生による通訳実践)
9月5日(土)アユタヤ遺跡観光(SWUのバディも同行)
【事後学習】
9月26日(土)に、事後学習としてタイ研修における学びに関する報告会が行われました。以下は、その報告内容を一部抜粋したものです。
同世代の学生たちとの活動を通じて共通する部分もたくさん見つけることができました。交流相手が日本語学科の生徒だったので、日本文化に詳しい生徒が多く、アニメやゲームなど、自分よりも詳しくて驚く場面が多くありました。タイ人の生活ぶりもあまり私たちと変わらないと感じるところをたくさん見つけることができたと思います。(1年女子)
今回の交流は主に日本語を使って過ごしていましたが、だからこそ言葉以外の現地の文化にも目を向けることができたと感じています。特に印象に残っているのは、タイの学生との合同発表での経験です。日本語でのやり取りが中心となる場面で、自分たちの伝えたい内容をタイの学生にどうすれば分かりやすく伝えられるか、日本語の使い方やスライドの原稿にふりがなをふっておくなど、デザインを工夫する大切さを学びました。単に情報を伝えるだけでなく、現地の学生の反応を見ながら言葉を選ぶ難しさを実感しました。(2年女子)
私は初めての海外で、最初は不安な気持ちもありました。しかし、タイの学生たちのオープンな雰囲気や温かい言葉のおかげで、とても楽しく、充実した時間を過ごすことができました。特に「交流ってこういうものか」と感じたのが、タイの学生たちが連れて行ってくれたアイススケートです。一緒に楽しめるのか少し不安でしたが、実際に滑ってみると、とても楽しく過ごすことができました。仲良くなるために、何か特別なことをする必要はないのだとも感じました。(2年男子)
課題に取り組む姿勢などの学びを得ることができました。とくにLGBTQに関するインタビュー調査から多くのことを学びました。例えば調査のやり方を決定するだけでも多くの議論を重ねました。対象者への心理的な配慮や質問内容を念入りに検討し、アポ取りを丁寧に行うなど、相手に配慮しながら慎重に進める彼らの誠実な姿勢に、深い感銘を受けました。短い準備期間の中でも相手を思いやる姿勢を怠らず、確実に準備する力は、私が今後見習うべき姿勢だと感じました。(1年女子)
市内観光やSDGsのプレゼンテーションのためのフィールドワーク、アユタヤの観光を通して、タイの街並みの賑やかな雰囲気や歴史ある建物を実際に肌で感じ、そして何より現地の人々の温かさに触れることができました。タイ語がほとんどわからない私に対しても、現地学生の皆さんが親切に話しかけてくれたり、放課後にはカラオケやカフェなど色々連れ回したりしてくれて、言葉が通じなくても、お互いに歩み寄ることで良い関係が築けるということを実感しました。(2年女子)
合同発表に向けたフィールドワークでヤワラートを訪れたことも印象に残っています。そこでは、タイの学生にサポートしてもらいながら、実際にタイ語を使って現地の方にインタビューをしました。観光で訪れているだけでは分からない考え方や文化に触れることができました。もう一つ強く感じたのが、意思疎通の難しさです。今回交流したタイの学生には日本語を話せる人も多かったのですが、普段私たちが何気なく使っている日本語では、うまく伝わらないこともありました。コミュニケーションでは「自分が伝えたか」ではなく、「相手に伝わったか」を意識することが大切だと気づきました。(4年男子)
タイで活躍されているOB、OGの方のお話から、海外で働くという道もあると知ることができたし、特に失敗を恐れず何事も挑戦してみるという言葉がとても印象に残っています。今回の経験を無駄にせず、これからの大学生活や将来にも活かしていきたいと思いました。(2年女子)