政治経済学研究科

関連情報

事務室からのお知らせ

資料請求はこちら

学内情報サービス

研究科長あいさつ

「火花から炎は燃え上がる」

政治経済学研究科長 博士(政治学) 西川 伸一



 私が大学院の門をくぐったのは1984年です。新入生ガイダンスで研究科の責任者とおぼしき先生が、「みなさんとてもいい表情をしている。やってやろうという意気込みに満ちている」などとあいさつされたことを、印象深く覚えています。そして、もう一つ記憶に残っているのは、研究テーマを絞り込むことの重要性をその先生が力説されたことです。まだ当時の私には、この指摘を実感をもって受け止めることができませんでした。しかし、いま振り返ってみると、まったく同じことを大学院進学を目指すみなさんに訴えたい思いにとらわれます。

 「政治とはなにか」「経済とはなにか」あるいは「社会とはなにか」。本研究科を志望されるみなさんは、これらを究めたいという「野心」を多かれ少なかれ胸に秘めていることでしょう。研究に対する原動力としてこれは欠かせません。ただ、博士前期課程は2年、博士後期課程は3年が標準修業年限です。とてもそのような「野心」を満たせるほどの時間はありません。「野心」の成就につながる取っ掛かりさえみつけられれば、御の字ではないでしょうか。言い換えれば、みなさんの可処分時間から逆算して、研究テーマを徹底的にダウンサイジングしてほしいのです。

 そんなみみっちい研究などごめんだと反発されるかもしれません。しかし、すべては小さな取っ掛かりから始まります。ソ連共産党の前身であるロシア社会民主労働党の機関紙は『イスクラ』と称しました。「イスクラ」はロシア語で「火花」を意味します。ロシアの詩の一節「火花から炎が燃え上がるだろう」から採られました。レーニンら編集スタッフは、運動の火の粉がやがて革命という大火を引き起こすという願いをこめたのでしょう。もちろん、革命運動と研究は同列には扱えません。それでも、私はこの命名が気に入っています。大きなことは小さなことの積み重ねの結果です。

 さて、本研究科の博士前期課程には研究者コースと高度職業人コースが置かれています。研究者コースでは、博士後期課程への進学を前提に研究基礎力の着実な養成に努めます。一方、高度職業人コースでは「高度」の名にふさわしい専門的な学識の涵養に注力します。さらに博士後期課程においては、博士学位請求論文作成に向けたきめ細かな指導を行います。

 いずれにしても「修了後」が大切なのは言うまでもありません。文系でも修士の学位がないとキャリアアップできない時代になりつつあります。すでに2012年度からは、国家公務員採用総合職試験に「院卒者試験」が導入されています。研究職に就くには博士号は欠かせません。大学教員の募集要項をみると、必ず「博士の学位を有する者」が応募条件になっています。

 本研究科では、みなさんの将来をギャランティーできる態勢づくりを常に整え、より充実させることを第一順位で考えています。そこでも「火花から炎は燃え上がる」が根底に置かれます。みなさんを「集合」としてとらえず、一人ひとりを丁寧にケアして、「いい表情」のまま送り出したいと念じています。

 

上へ戻る

明治大学 MEIJIUNIVERSITY

© Meiji University,All rights reserved.