法科大学院は,法曹養成に特化した専門職大学院であり,修了生には司法試験の受験資格が与えられる。21世紀は,「行政による事前規制型」の社会から「透明なルールと自己責任の原則」に立脚した「事後監視・救済型の社会」への転換が求められ,そのためには,司法機能の充実・強化とそれを支える質・量ともに豊かな法曹人材を育成する司法制度改革が必要であることから,その中核を担う人材養成制度としての法科大学院制度が創設され,開始された。
本法務研究科は,このような国家的取組みの一翼を担うことを使命とし,「権利自由」・「独立自治」という明治大学の建学の精神を現代的にとらえ直した「『個』を大切にし,人権を尊重する法曹」の養成を教育理念とし,理論と実務を架橋する高度で多様な教育を通じて,幅広い教養と高い倫理観に裏付けられた豊かな人間性をもち,法律問題の解決にあたっては,深い専門知識に基づく柔軟で創造的な思考によって適切に対処することができる法曹を養成することを目的としている。