私は、明治大学法学部を卒業後、2016年3月に法科大学院既修者コースを修了しました。そして、現在は第71期司法修習生として司法修習に取り組んでいます。
私が明治大学法科大学院を選択した理由は、学費免除等の経済的な支援が明治大学からあったことと、人生の師匠ともいうべき教授がいらっしゃったからです。また、入学後は、熱心に質問に答えてくださる多くの先生方と出会うことができました。そして、修了後のサポートも充実しています。法務研究所というのが設けられており、特別講義や答案添削をしてくださるなど、非常にありがたいものでした。司法試験に合格した今では、明治大学法科大学院に入学した自分の選択は間違っていなかったと確信しております。
ところが近時、法科大学院制度自体に対する疑問の声が多く聞こえてきます。もちろん、こうした批判に耳を傾け、漸進的に改善していく必要があることはいうまでもありませんが、法科大学院の実際を直接見聞きしていない者の批判が多いように思われ、「甚だ遺憾」です。法科大学院では、学部時代ではあまりなかった実務家教員の授業が多く行われています。実務の世界をずっと身近に感じられる中で勉学に励めることは大変な魅力であると思います。
明治大学法科大学院の図書館、自習室などの物的設備は、大変優れた学習環境であるといえます。大学の立地も魅力的であるといえます。また、研究者・実務家双方の著名な先生方も多く在籍していらっしゃいます。
他方で、結局、司法試験の合否を分けるのは、これまでの大学院ごとの合格率云々ではなく、受験生個々人が必勝の信念を持ち続けられるかどうかという点にあるのではないでしょうか。必勝の信念という鎧があれば、司法試験など鎧袖一触であります。こうした内面的な問題は、自分自身で決着させるべき事柄であるので、学習環境を生かすも殺すも自分次第です。状況というものは、「ある」のではなく、「作る」ものです。明治の学習環境を信じて、我が道を行ってください。信念の強さが試される闘いを完遂し、皆さんの希望する進路が開けることを祈念致します。