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先端数理科学研究科

【先端数理科学研究科ネットワークデザイン専攻】博士前期課程1年 野澤 汐里さんが光ファイバ応用技術研究会学生奨励賞を受賞

2020年03月24日
明治大学 先端数理科学研究科

 野澤 汐里さん 野澤 汐里さん

先端数理科学研究科ネットワークデザイン専攻の博士前期課程1年 野澤 汐里さん(笠 史郎研究室)が光ファイバ応用技術研究会学生奨励賞を受賞しました。

この賞は、2019年(1 月~12 月)の光ファイバ応用技術研究会において一般講演を行った学生のうち,優秀な発表について与えられるものであり,今回は2名の学生が受賞しました。


論文名:ファイバブリユアン散乱におけるストークス光・通過光の位相特性の検討


論文内容:本論文では,光ファイバ内で発生することが知られているブリユアン散乱を対象にした研究成果を取りまとめたものです。ブリユアン散乱は,光ファイバ内で起きる散乱現象の一つであり,入射した光の一部が振幅,周波数,位相などの変化を伴って入射側に返ってくるものです。ブリユアン散乱で生じる周波数変化は,光ファイバに生じた歪みと関係あることが知られており,この現象は,既にビルや橋梁などの構築物の経年劣化計測などに応用されてます。
本論文では,ブリユアン散乱の位相特性に焦点を当てて研究を行いました。ブリユアン散乱によって散乱された光の位相には不規則な位相飛びが生じることについて,これまで理論的に指摘されていました。しかしながら,これまでの技術では,光の位相を正確に測定することはできませんでした。本論文では,コヒーレントヘテロダイン検波技術と数理科学を融合することにより,この位相飛びを正確に測定することに成功し,理論的に予測されていた位相飛びが確かに起きていることを示した点で大きな意義があります。本研究の成果は,上述した構築物の経年劣化予測の予測精度を更に高めるための研究などへの応用が可能であると考えられます。

明治大学大学院