先端数理科学研究科の博士前期課程1年生の白鳥裕士さん(中村聡史研究室)が情報処理学会の平成29年度山下記念研究賞を受賞しました。
本賞は、情報処理学会の研究会およびシンポジウム発表論文の中から特に優秀な論文を選び、研究会ごとに毎年1編ないし2編以内が選定されるものとなります。
この研究の目的は、スポーツの試合の視聴を楽しみにしているユーザが、事前に結果を知ってしまうことにより興味を失うというネタバレの問題について明らかにするものです。この研究では、特にサッカーの試合に注目し、どういった影響があるかについて実際の試合を対象としたネタバレ有り無しによる実験を実施しました。その結果、ネタバレの有無は興奮度にはあまり影響がないが、ネタバレは緊張感に対してマイナスの影響を大きく及ぼすこと。また、一喜一憂度合いにはチャンスの場面にネタバレが影響するうえ、自己投影度合いが低い人はネタバレの影響が小さいこと。さらに比較的落ち着いた展開の試合ではネタバレの影響が大きいことを明らかにしました。
こうした知見をもとに、今後はネタバレを考慮したスポーツのダイジェスト生成などに取り組む予定です。
白鳥裕士「サッカーのネタバレが観戦者の態度に及ぼす影響」(2017-EC-43)
山下記念研究賞:
https://www.ipsj.or.jp/award/yamashita.html