先端数理科学研究科現象数理学専攻の博士前期課程1年 下村真生さん(中村 和幸研究室)が情報処理学会第82回全国大会において学生奨励賞を受賞しました。
この賞は、全国大会の学生セッションでの発表された学生会員の中から座長裁量で優秀な発表に対して贈呈される賞です。
発表題目: CNNに対する可視化手法の計算機実験による比較評価
発表内容:深層学習による画像識別(いわゆる「AI画像診断」)において、結果可視化の重要性が高まっており、その可視化手法間の優劣を比較する指標も必要となってきています。これまでに、医用画像を対象とした場合の比較指標であるBlack Average Dropを提案してきましたが、今回は医療画像とは異なる性質を持つ自然画像である、17種類の花画像データセットに対して適用可能であるかを検討しました。また、ピクセルラベル情報を用いて、従来よりも正確な定量的検証を実施しました。評価の結果、Black Average Dropは、それまでの既存手法と比較して、医療画像だけでなく花画像についてもより正確に評価できることを示しました。さらに、学習精度の可視化結果に対する影響を検討し、可視化比較指標を用いるには一定の学習精度が必要であることを示しました。