中川さん
先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻博士前期課程1年の中川由貴さん(中村聡史研究室)が情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会において学生奨励賞を受賞しました。
この賞は、学生による優れた発表に与えられるものとなります。
受賞した研究のタイトルは、「ペンギンの腹部模様に注目したぬりえ型観察・検索手法の提案」です。
水族館や動物園などではリピーターを増やす様々な工夫をしていますが、なかなかリピーターを増やすのは簡単なことではありません。中川さんは観察すること自体がその対象動物への興味を増幅し、結果としてリピーターとなるのではと考え、観察を促進する研究に取り組んできました。
この研究では特に、個体によってお腹の模様が異なるフンボルトペンギン属のペンギンに着目し、お腹の模様をぬりえすることによって観察および検索を可能とする手法を提案および実装しました。また、すみだ水族館と京都水族館で飼育されている5匹のペンギン(ローズ、アロエ、みかげ、たこ、もと)を対象とし、22人の学生によるぬりえ実験を通して、ぬりえによりペンギンを識別可能であることなどを明らかにしました。
今後は、ペンギンの個体データセットを整備するとともに、多数飼育している水族館向けのぬりえ型検索システムを実現し、現地での実証実験を行うことで、手法の有用性を更に検証していく予定です。また、ペンギン以外の動物を対象としたぬりえ型観察・検索手法についても検討を行っていく予定です。