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研究科長あいさつ

農学研究科長 博士(農学) 小田切 徳美



「農学」とは何でしょうか。例えば、日本学術会議では「農学」を次のように定義しています。
「食料や生活資材、生命、環境を対象として、『生物資源の探索・開発・利用・保全』、『農林水産分野の生産基盤システムの高度化』、『農林水産分野の多面的機能の保全・利用』を目的とする、『認識科学』と連携した『設計科学』であり、生命科学系の『総合科学』である」(日本学術会議「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準-農学分野-」2015年10月)

 要点は、「設計科学」であり、「総合科学」であるという点にあります。前者は、一言で言えば「問題解決を志向する科学」です。つまり、「食料」「生命」「環境」のそれぞれの分野において、人類、国民、生態系、コミュニティ、個人等が直面する課題の根源を解明して、それに「どうしたらよいのか」を提起するのが農学です。そのため農学は常に実践的です。
そして、後者の「総合科学」のためには、ライフサイエンスから社会科学にいたる幅広いアプローチを総動員して教育・研究を行うことを必要しています。また、研究の対象とする「サイズ」がゲノムレベルから地球レベルまでの拡がりを持つことも、その総合性のひとつの表れです。
このような農学の教育と研究を意識して、明治大学大学院農学研究科は、「食料・環境・生命」をキーワードに、農芸化学、農学、農業経済学、生命科学の4専攻が設置して、「設計科学」「総合科学」を強力に実践しています。
そのため、ライフサイエンス分野の最先端の研究に要求される高度な研究機器類を整備し、充実した研究体制を整えています。これに加え、2011年に「明治大学植物工場基盤技術研究センター」、2012年に里山に位置し環境・自然・地域との共生をコンセプトとする「黒川農場」が開設され、さらに最新設備を持つ新校舎が完成し、活発な活動を支援する設備はますます充実しています。
こうした条件を活かしながら、大学院生の皆さんの努力により、院生を筆頭著者とする高水準の学術論文・学会発表等が本研究科から数多く発信されていることは大変嬉しいことです。今後も新たな施設や技術を積極的に導入すると共に、優秀な教員スタッフの充実を図り、研究面での社会貢献を目指していていきたいと思います。
 さらに本研究科では、「設計科学」「総合科学」を実現する人材の育成を目標とし、意識的に大学院生への支援を充実させています。具体的には、若手研究者の育成を目的とする助手制度、教育者・研究者へのトレーニングとなるティーチングアシスタント(TA)・リサーチアシスタント(RA)制度、国際学会での報告支援制度、各種奨学金、進路決定をサポートするキャリア支援制度などがあります。本研究科は、大学院生の皆さんが充実した研究生活を送ることができるように、その環境改善と実現をいつも意識しています。
皆さんが、このような魅力的な農学研究、そして、それを実現する条件を持つ明治大学大学院農学研究科で研究に励み、革新的な研究成果を生み出すことを期待しています。

明治大学大学院