ガバナンス研究科は、2004年4月に設立され、2007年度から専門職学位課程(専門職大学院)に移行しました。
当時の社会情勢をふりかえってみると、ガバナンス研究科設立前後は、日本の行政・政治・経済の大きな変動期にあったことがうかがわれます。
2001年には縦割り行政による弊害をなくし、内閣機能の強化、行政事務・事業効率化などを目的として中央省庁再編が行われました。また2000年には地方分権一括法が施行され、国から地方公共団体又は都道府県から市町村への事務・権限の移行が行われました。一方で経済においては、1997年以降に金融危機を迎え、大手金融機関の破綻が相次ぎました。アメリカでは2001年にエンロン事件、2002年にワールドコム事件という巨額な粉飾決算事件が発生し、世界的にコーポレート・ガバナンスの強化が叫ばれるようになりました。
このような情勢を背景として、さまざまな課題の解決を「ガバメント(政府・自治体)」だけの責任とするのではなく、さまざまな当事者・関係者が協働しながら目的を達成して社会を長期的に維持・発展させていくためのしくみを探求する場として、ガバナンス研究科が設立されたのです。
それから20年以上が経過し、ガバナンスの概念自体も多様化しています。しかし依然として、あらゆる領域でガバナンスの確立や強化が求められています。「ガバナンス」というキーワードが登場するニュースに接しない日はない、といっても過言ではありません。このことは、社会を長期的に維持・発展していくためのしくみとしてのガバナンスを探求する必要性を示しているといえるでしょう。
現在、ガバナンス研究科の修了生は1000人をこえており、自治体の職員や首長として、地方議会の議員や国会議員として、民間企業の一員として、あるいはNPOや地域社会のメンバーとして、多くの修了生が地域社会や経済の「ガバナンス」にかかわっています。
またガバナンス研究科では、外国人留学生コース(現・International Public Policy Course、イングリッシュ・トラック)を開設し、アジアを中心とした各国の公務員や関連組織職員を受け入れてきました。修了生は現在、各国で幹部公務員として活躍しています。
ガバナンス研究科は、ガバナンスを担う多様な人たちが、現代社会の課題解決や社会の運営に関する新しい枠組み創造に向けて、ともに学び、研究する場です。皆さまをこのユニークな「ガバナンスの探求の場」である本研究科にお迎えし、現代社会が抱える複雑な課題解決にプロフェッショナルとして取り組み、皆さまにより良い未来づくりに貢献する「ガバナンス・ファミリー」の一員となっていただければと願っています。
歴代研究科長
市川 宏雄 2004年4月1日~2018年3月31日
源 由理子 2018年4月1日~2020年3月31日
長畑 誠 2020年4月1日~2026年3月31日