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農学研究科

【農学研究科】蔡立義さんの論文の写真が雑誌の表紙に選ばれました!

2009年03月26日
明治大学

蔡立義さん(農学研究科博士後期課程3年、学術振興会特別研究員、医師)の論文の写真がElsevier社から出版されているReproductive Toxicologyという雑誌の表紙を飾りました。

(論文のタイトル)
HSV type 1 thymidine kinase protein accumulation in round spermatids induces male nfertility by spermatogenesis disruption and apoptotic loss of germ cells.

(著者)
Cai LY, Kato T, Nakayama M, Susa T, Murakami S, Izumi S, Kato Y.

(雑誌名、発表年、巻・号、ページ)
Reproductive Toxicology 2009 Jan;27(1):14-21. Epub 2008 Nov 21.


 Reproductive Toxicologyは健康や病気に関することを扱っている、ヨーロッパTeratology(奇形学)学会誌です。
 学会誌の表紙はその雑誌の号に収められた論文の中で、もっとも結果の優れる論文から、その結果を象徴する写真データや図が選ばれます。今回は14の論文の中から最もインパクトのある論文の写真として選ばれたものです。
論文に採択されるには、いろいろな指摘による訂正や追加実験が求められ、精度の高い研究結果が求められます。卒業研究や修士論文のそのままでは、なかなか世界に通用するレベルでは無いのが実際です。従って、国際的な雑誌に原著論文として掲載され、さらに表紙にまで選ばれるということは大変な快挙になります。

 蔡さんの論文は、FSHβ鎖遺伝子のプロモーターをHSV1-TK(ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子)に融合させたキメラ遺伝子を導入したトランスジェニックラットの研究です。
 このラットは、当初の目的としては、FSHβ鎖遺伝子が発現する下垂体のHSV1-TKの発現を確認することでしたが、オスでは不妊の症状を示していることを発見しました。その原因を探ったところ、組み込んだHSV1-TKの遺伝子の一部を使って短縮したHSV1-TK遺伝子が円形精子細胞だけで発現して、そのために精子形成が不完全で雄性不妊となったことを突き止めたものです。
 表紙(下)の写真は、その円形精子細胞でのHSV1- TKの発現(赤く染まった細胞)の写真です。


論文はこちらから閲覧できます。

明治大学大学院