これを書いているのは5月4日である。残念ながらコロナウィルスの感染猛威は収まったとはいえず、今回、緊急事態宣言が解除されることはなかった。そのうえで5月31日までの延長が決まった。政府や各地方自治体の責任者は毎日のようにマスコミの前に現れ、市民に外出自粛を粘り強く求めている。その表現力や説得力に異論はでているが、我々は引き続き努力しなければと素直に思う。他方、微熱が続いても病院に行くことを躊躇う知人を想うと、3密状況が流れるテレビ映像にはやるせなさを覚える。社会の礼節を守らぬ輩は時代劇ドラマではないが「成敗!」、という気分にならないわけでもない。
最近、大学広報のインタビューでシビリティについて述べる機会を得た。シビリティとは、市民らしい、礼節ある立ち振る舞いを指す言葉である。政治・行政の忖度や改ざんを防ぐには我々のシビリティに目を向けよ、いわば統治者集団の襟を正すには、まずは彼らを選んだ自らの襟を正せ、ということになろうか。一般市民が変わることで統治者側のポリティカル・シビリティも高まれば・・・という期待を込めたものだった。そこで今回も大学からの情報発信ということなので、シビリティについてもう少し考えてみたいと思う。