卒業生の声
山脇ゼミが企業向けやさしい日本語ワークショップを実施しました
2025年08月04日
明治大学
国際日本学部山脇ゼミが、2025年7月14日に中野中小企業診断士会主催の「国際化セミナー」で、やさしい日本語ワークショップを中野セントラルパーク内の会議室にて開催しました。中野中小企業診断士会は、中野区内の中小企業を対象に経営改善や事業支援のアドバイスを行っている団体です。今回は中小企業診断士10名をはじめ、中野区内の中小企業に勤務されている方々や社会保険労務士の方など、合計で34名の方にご参加いただきました。
「多文化共生のまちづくり」をテーマに掲げる山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の普及活動進めています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、尊敬語や謙譲語、熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。山脇ゼミではこれまで、学校の児童生徒や教員、自治体の職員を対象にやさしい日本語ワークショップを実施してきました。企業を対象としたワークショップも数回実施していますが、中野区での開催は初めてでした。
中野区で暮らす外国人住民は増加傾向を辿っており、ビジネスの場面でも外国人労働者の存在感は日々高まっています。そこで今回は、ビジネスの場面でのやさしい日本語の活用について学ぶワークショップを実施しました。内容としては、自己紹介をやさしい日本語で行うアイスブレークの後、仕事の際によく用いられる文章をやさしい日本語に書き換えるワークを行いました。
以下、参加者からの感想です。
「主語を補う、接続詞を使わないなど、実践的な助言をいただきありがとうございました。とてもやさしいワークショップでした。ありがとうございます。」
「今後、外国の方の視点から見たやさしい日本語についても話を聞いてみたいです。また、機会がありましたらワークショップに参加したいです。」
「支援先に、店長は日本人で、アルバイト店員100名以上が中国人という居酒屋があります。こういった事例を取り上げて、研究されても面白いと思います。」
続いて、参加したゼミ生の感想です。
「私は事前準備では企画とスライド制作を担当し、当日は会場内を回り各班のファシリテーターの補助をしました。グループワークにて、参加者の皆様にやさしい日本語の実践練習に挑戦していただいている中で、シチュエーションごとにどのような言い換えが効果的か、この表現は難しく聞こえるのか、など真剣に話し合っている姿が印象的でした。本ワークショップはこれまで山脇ゼミが経験してきたワークショップの中でも、ファシリテーター1名に対する参加者が多く、チャレンジングなものでした。今回のワークショップで得たものを、これ以降のワークショップにも活かしていきたいです。」(4年 木内彬乃)
「今回、初めて司会を担当させていただきました。多文化共生に関するワークショップの経験がまだ多くない中での挑戦でしたが、非常に貴重な学びを得ることができました。進行中は、一つひとつの言葉がどのように伝わっているのか、また、自分たちの発信が一方通行になっていないかを常に意識していました。うまく進められない場面もありましたが、4年生の先輩に支えていただきながら進行することができました。そして、参加者の皆さんが熱心に耳を傾け、真剣に学ぼうとする姿勢を間近で見られたことは、私にとって大きな励みとなりました。この経験を、今後のワークショップにも活かしていきたいと思います。」(3年 吉原三野)
「今回、初めてファシリテーターとしてワークショップに参加し、進行役の難しさを改めて実感しました。特に、参加者全員がバランスよく発言できるよう配慮することに苦労し、発言のタイミングや長さにばらつきが出てしまったことは反省すべき点です。一方で、社会人の方々と「やさしい日本語」について議論できたことは、大きな学びとなりました。現場で外国人と接する中で感じられている実情や課題を伺えたことで、普段とは異なる視点に触れ、多文化共生をより現実的に捉える貴重な機会となりました。今回の経験を通じて、多様な立場の人々と対話を重ねることの重要性を改めて認識しました。今後もこうした機会を大切にしながら、自分の視野をさらに広げていきたいと思います。」(3年 武田祐奈)
筆者は今回、司会進行を主に担当しました。司会の席から参加者の皆さまとゼミ生が積極的に話し合っている様子をよく見ることができました。外国人住民を取り巻く状況が日々変化している今日、世代の垣根を超えて話し合うことのできる場があることの重要性を再認識することができました。司会そのものを行うのは久しぶりのことであったとはいえ、至らない点が非常に多く、猛省しております。しかし司会を一緒にしていた3年生のゼミ生をはじめ、参加したゼミ生全員に助けられ、無事にワークショップを終えることができました。山脇ゼミの温かみを改めて実感しました。
(国際日本学部4年 木村奏美)