イントロダクション

ゼミナール(演習)とは何か



国際日本学部長
鈴木 賢志
 

 
 ゼミとは何でしょう。正直なところ、この学部で教え始めたばかりのころ、私はよく分かっていませんでした。実は、私は自分の学生時代にゼミという形式の授業を半年しか受けたことがありません。その時は先生の著書を分担して読み、それに関連してそれぞれ調べたことを発表するというものでした。その後、私は長らく海外の大学で過ごしましたが、学生としても教員としても、ゼミという形式の授業を経験することはありませんでした。ゼミというスタイルは、国際的にはかなり特殊な学びの形なのです。帰国して明治大学国際日本学部で教えるようになり、初めてゼミの学生の募集案内を書いた時には、ずいぶん悩みました。日本での教育経験が長い何人かの先生に「ゼミって、何をすれば良いのでしょう」と聞いてみると、「君のやりたいようにやればいいんだよ」と、何とも答えになっていないような答えが返ってきて、途方に暮れてしまったことをよく覚えています。
 それから長い月日が経ち、今年はとうとう10回目の募集となりました。これまでの試行錯誤と経験によって分かったのは、やはり結局は「やりたいようにやればいい」なのだ、ということでした。すなわち、一人一人の教員が、それぞれの専門的な見地から自分が最も有益であると信ずる教育を行うことが、学生のみなさんが充実した学びを得るための最善の方法だということなのです。
 ただし、いくら教員が手をつくしても、みなさんが待ちの姿勢で「学ばせてもらう」のを待っているのでは、2年かけても何も得られません。ゼミが少人数であることの利点は、きめ細かく教えてもらえることだけではありません。あなたがどのような興味関心を持って、その教員から何を教わりたいのかを、しっかりと伝える機会を得られるということなのです。そして、それはあなた自身がしっかり考えなくてはならないことです。
 なお、ゼミは個人ではなくグループで活動することも忘れてはなりません。そのことは、時としてあなたの行動を制約することになるかもしれません。けれども互いに協力し、切磋琢磨し合うことで得られるものは非常に大きいのです。さらにゼミを通じて得られるつながりは、将来にわたって続く、かけがえのない財産となります。
 本学部の多くの皆さんが、ゼミを通じて新しい学びを体得し、また新しい出会いを育むことができるよう、心から願っています。

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