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国際日本学部

山脇ゼミが第13回なかの多文化共生フォーラムを開催しました

2025年12月25日
明治大学

 明治大学国際日本学部の山脇ゼミは、2025年12月10日に、第13回なかの多文化共生フォーラム「インクルーシブな社会の実現に向けて」を開催しました。今回は、キリンビール株式会社との共催、中野区の後援を受けての開催となりました。対面とオンラインのハイブリット形式で開催し、会場にはゼミ生を含めて約50名、オンラインで全国から約50名、あわせて約100名の参加がありました。

*プログラム 


今回のフォーラムは、3部構成で行いました。第1部では、キリンビール株式会社とのコラボ企画「異文化理解セッション〜飲み会篇~」を開催しました。セッションには、山脇教授、山脇ゼミ3年の森田花菜さん、そしてキリンビール株式会社の鈴木淑子さんが登壇し、人と人とがつながる機会である「飲み会」という切り口から多様性について考えることを目的とし、トークを進めました。日本の飲み会に対して疑問を持つ外国人参加者へのインタビューや、アルコールパッチテストの実施を通じて、お互いの文化や体質の違いを認め合いながら、飲み会を楽しむ方法について理解を深めました。

第2部では、今年度の山脇ゼミの活動報告を行いました。毎年開催している中野区長と外国人留学生の懇談会や、小中学生や自治体職員を対象としたやさしい日本語ワークショップに加え、高校生向けマイクロアグレッションのワークショップ、中小企業診断士会向けワークショップやまち歩きイベント「なかのクエスト~ともに歩く、共生のまち~」といった新しい取り組みについても報告しました。また、12月6日に行われた東京都主催「タイバーシティ・プレゼンコンテスト」で最優秀賞をいただいたプレゼンの発表も行いました。

第3部では、カメルーン生まれ・日本育ちの漫画家である星野ルネさんをお招きし、「インクルーシブな社会の実現に向けて」をテーマとしたトークセッションを開催しました。7月の参議院選挙を機に外国人政策が大きな注目を集めるなかで、昨今の風潮や今後の日本社会について、山脇教授が聞き手となり、星野さん自身の経験を踏まえたお話をしていただきました。星野さんは、「それぞれの国が持つ文化や築かれる関係性は異なるため、他国の例から学びながらも、日本独自の多文化共生のあり方が模索したらよいのではないか。そして、外国人材受け入れの賛否に関わらず、多文化共生の実現のためには正しい情報と共通認識に基づいた議論が必要ではないか。」と伝えました。

セッションの後半では、参加者がゼミ生を含め6名ほどのグループに分かれ、トークセッションを踏まえたディスカッションを行いました。多文化共生に携わる自治体職員から高校生に至るまで、世代を超えて活発な議論が行われました。

フォーラム後のアンケートでは、第1部は8割、第2部と第3部は10割の参加者がよかったとご回答いただきました。最後に、参加者の感想を抜粋します。

「一方的な思い込みで捉えるのではなく寛容な姿勢で接し、自分の目で見たものをベースに判断するようにして異文化交流に臨むことが大切と気付いた。」

「トークセッションでは、多文化共生のあり方や、ステレオタイプやインターネットから生まれる偏見をどのように減らしていくべきかを改めて考えるきっかけになりました。」

「排外主義やアンチ多文化共生などが叫ばれる中、学生や企業、教育機関が連携して、より良い社会を築こうとする姿勢が大切だと感じました。」

フォーラム終了後、星野さんや酒井区長をはじめとする登壇者や一般参加者、そしてゼミ生は学生食堂に移動し、キリンビール株式会社様にご提供いただいた飲料をいただきながら懇親会を実施し、くつろいだ雰囲気の中で、さらに意見交換を続けました。

(国際日本学部4年 馬場葵)