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学部長メッセージ

知の森の冒険を! ー文学部長 田母神 顯二郎ー

文学部 田母神顯二郎文学部長

明治大学文学部は古い伝統を持つ学部で、これまでたくさんの優れた人材を世に送り出してきました。しかし文学部の歴史はただ長いというだけではなく、絶えず創造と革新を繰り返す冒険の歴史でもありました。その結果が3つの学科と14の専攻を持つ、現在の「知のネットワーク」スタイルです。考古学から現代社会学まで、哲学から演劇まで、文学部では古今東西の文化と幅広く出会えます。『万葉集』や『源氏物語』も学べれば、現代のメディア理論やジェンダー理論も学べます。イスラム史も学べれば、フランス象徴主義の流れも学べます。ワクワクする知の冒険ワールド、それが明治大学の文学部なのです。

 

とはいえ、こうした知の豊饒な森を味わい尽くすには、まず入学時に選んだ専攻で学問の基礎をしっかり養わないといけません。そしてどの専攻であれ、最初の12年で語学力を高める必要があります。言葉は文化の「おおもと」です。文学部では語学教育を重視し、初級レベルから上級レベルまで、充実した外国語カリキュラムを用意しています。さらに学部間協定留学制度を始め、独自の海外留学プログラムも数多く設けているので、ぜひ皆さんの才能を伸ばすのに役立ててください。

 

一方、文学部では、大学院との連携にも力を入れ、希望する学生にはより高度な学びの機会が得られるような制度改革も行っています。国際的に教育の高度化が進む中、学生時代に大学院レベルの授業を受けることは、とても有益な体験となるでしょう。それは単に自分の研究を深めるだけでなく、未来を創りだす最先端の研究動向を知り、多様な超域的研究の現場に接することでもあるからです。ちなみに、文学部がもつ学際性や国際性は、電子ジャーナルMeiji University Asian Studiesの発信や海外諸大学との学術交流にも活かされています。

 

ところで文学部は、こうした知の学びと同時に、学生の思考力を伸ばす教育も重視しています。理性は万人に平等に分配されているのにそれを正しく使える人は少ないと言ったのはフランスの哲学者デカルトですが、せっかく誰もが考える能力を与えられているのに、それを使う方法が間違っているために、数多くの問題や災厄が起こり、収拾のつかない混乱状態に陥ったりもします。残念なことに、今の世界と日本では、あまりにもこうしたケースが目立ちます。この状況を少しでも改善するため、皆さんには正しく考える能力をしっかり身につけてほしいと思います。文学部では、1年次から少人数制のゼミを設けるなどして高度な思考能力を育て、自分の考えを発信したり、発見的な議論を行ったりする能力も鍛えています。何より、正しく考えるためには「あたりまえ」を疑ってみることが必要です。人の言うことを鵜呑みにするのではなく、自分で確かめ、よく吟味し、何が問題となっているのか、それ以外の可能性はないのかを探究していく姿勢です。そしてこれこそは、学問の根本姿勢でもあるのです。

 

このほか、教職・社会教育士・司書・学芸員など、資格を取るための課程が明治大学には設置されていますが、文学部は他の学部と比べても関心が高く、毎年多くの学生がこれらの資格を取得しています。また、大学院文学研究科の教育学専修に進めば、教育学・社会教育学・博物館学・図書館情報学などの専門的研究をすることもできます。一方、臨床心理学専攻では、臨床心理士や公認心理師の受験資格を得るための授業も受けられます。

 

文学部という多様で奥深い知の森で、どうか自分という原石を磨いていってください。そうすることで、人生の「基本線」や「原点」がきっと見つかるはずです。自分がいちばん輝く生き方を見つけること、それが皆さんの使命です!