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臨床心理学専攻

臨床心理学専攻とは

 臨床心理学は、いわゆる心の問題を抱えた人を理解し、援助するための実践的な心理学です。
 カウンセリングやカウンセラーという言葉は、現在非常にポピュラーなものとして認知されているようですが、カウンセリングとは臨床心理学の実践のひとつの形態ですし、カウンセラーは臨床心理学の訓練を受けた専門家に与えられる一つの呼称です。現在、日本では、主に「臨床心理士」(公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する1988年創設の専門資格)と「公認心理師」(2018年度に第一回の資格試験が開始された日本初の国家資格)という二つの資格が、高度な臨床心理学の訓練を受けた人たちに与えられており、明治大学では、現在両方の受験資格の基礎を修得できる環境を用意しています。
(本学の大学院では、すでに2005年度に臨床心理士になるための本格的な訓練を受けられるカリキュラムを開設し、さらに2018年度からは公認心理師の資格対応カリキュラムを追加して、これまでに数多くの専門家を世に送り出してきています。公認心理師に関しては、「学部卒業時」までに指定された専門科目や実習など、所定の科目をすべて履修済みであることが、将来受験する際に必要な受験基礎条件の一つとなり、本学ではそれに対応しています。)

 臨床心理学専攻には、将来カウンセリングの専門家になろうとする人も入ってくることでしょう。しかし、カウンセラーになることだけを本専攻に入る目的にしてほしくはありません。臨床心理学は、より深い意味において、人の心のありようを理解し、人が精神的に成長し変容することを援助するための学問ですから、カウンセラーを目指すよりもっと広い視野から臨床心理学を学び、活用することが可能です。
 本専攻では、心理学全般についての学習と臨床心理学の専門的な学習をすることができます。臨床心理学はあくまでも心理学のひとつの分野ですから、臨床心理学を深く学ぶためには、心理学のなかにおける臨床心理学の位置付けについてもきちんと把握する必要があります。また、本専攻では、臨床心理学の実践に繋がるさまざまな体験学習を通じることによって、人と関わり、人の心に触れることを旨とする臨床心理学のエッセンスを理解してもらいたいと考えています。
 科学的な根拠をきちんと踏まえた心理学の視点から、冷静に思考し分析する力を有する一方、ひとのこころや社会におけるさまざまな問題に対して積極的な関心を持ち、感受性を働かせて寄り添う姿勢も併せ持つ、そのような「カウンセリングマインド」豊かな人材の育成を、本学では目指しています。