本研究科では2024年10月21日、特定課題講座〈地域環境と人〉としてシンポジウム「ポスト・コロナと現代演劇」を開催しました。コロナ禍(2020~23)を経て、現代演劇をめぐる環境は大きく変化しました。オンライン配信の定着により、スマホでも舞台作品を気軽に鑑賞できるようになりました。しかし、物価上昇によるチケット代金の上昇は逆に実際に劇場で舞台を鑑賞することを遠ざけてしまいました。また複数の団体ではハラスメント問題が浮上し、制作現場では適正なパワーバランスが求められるようになりました。
本シンポジウムでは現代演劇批評で活躍する3人をパネリストとしてお呼びし、このような現代演劇にまつわる諸問題についてお話して頂きました。当日はパネリストからコロナ禍の時期に実際に上演された演劇作品について、現在進行形で起きているハラスメント問題の対策について、観客を呼び込む(呼び戻す)ための制作者側のありかたについてなど、様々な切り口から多くの問題が提起されました。そして、これらの問題を聴衆の皆さんと質疑応答をまじえて一緒に考えました。現代演劇を振り返る貴重な機会となりました。
パネリスト:野田学、鳩羽風子、橘涼香(当日発表順)
コーディネーター・司会:嶋田直哉