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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[大黒 岳彦]

明治大学情報コミュニケーション学部 問題分析ゼミナール(3年生)紹介
大黒 岳彦 教授
(主要担当科目)哲学/メディア論

≪学生へのメッセージ≫

 いま現在、僕らは未曾有の転換期を経験しています。大黒ゼミでは、その転換の実際を身近な話題や現象をとっかかりにしながら、社会学、哲学、メディア論、ジェンダー論などさまざまなディシプリンを使って掘り下げます。出発点は、アニメでもビットコインでもVRでもLGBT、その他何でもOKですが、手法はアカデミックにやります。
■研究テーマ
情報社会の〈現在(いま)〉を多角的に掘り下げる
■研究内容
 基礎ゼミナールと問題発見ゼミナールでは,どちらかといえば基礎トレーニングに比重を置くため,実用的で現実的な色彩がどうしても勝ってしまう。問題分析ゼミナールでは,学生諸君に駿河台というアカデミックな場所で,本格的な「研究」とは何かを知り,そして自らの「研究テーマ」に心置きなく自由に取り組んでほしいと思う。
 タイトルから勘違いをしてほしくないのだが,本ゼミナールは決して「現代思想」をカタログ的に解説することを目指したり,一般教養としての「現代思想」を講義するものではない。参加者に求めたいのはひとりひとりが自らの「研究テーマ」を持ち,自分の頭で考え,自分の言葉を紡ぎ出すことで,自らの思想的なバックボーンを主体的に形成することを目指す姿勢である。「テーマ」は現代社会,人間,自然,科学,宗教,メディア,ポップカルチャー,など分野は問わない。自分にとって「かけがえのない」問題であればそれでよい。それぞれのテーマに関して教員である大黒が,思考の方向性や参考文献,また表現の流儀をアドバイスすることになる。たとえば「性」や「異常」「管理」というテーマに対してはⅠ.イリイチやM. フーコーの思想を紹介することになろうし,「メディア」「マスコミュニケーション」に関するテーマに対してはM. マクルーハンやN. ルーマンの思想を指南することになるが,いずれの場合も自分なりの理解と活用ができなければ意味はない。なんにしても思考と表現の「自分流義」を確立することが目標となる。
 具体的には,前期では現代思想の諸論点を洗い出す。後期では前期の整理を踏まえて,各自が自らの研究テーマを決め,論文執筆の計画を立て,文献の分析や調査に取り掛かる。4年時には実際に論文執筆に取り組むことになる。
その他(学生へのアドバイス)
 就職のことは気にかかるだろうが,大学生活と就職とをあまり近視眼的に直結させない方がよい。むしろ腰をじっくり据えて,自分の研究テーマの延長線上に職業を位置づけるという発想のほうが長い目で見て結局は諸君らの利益となることを大黒の経験から老婆心ながら忠告申し上げる。「急がば廻れ」である。