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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[小林 秀行]

明治大学情報コミュニケーション学部 分析ゼミナール(3年生)紹介
小林 秀行 准教授
(主要担当科目)リスク社会論

≪学生へのメッセージ≫

 リスクは、誰もが話したがらない”重たい”話題です。しかし、あえて”重たい”話題に向きあうことで、現代社会の課題がよりはっきりとした形で浮かび上がってきます。小林ゼミでは、「学びとは、楽しくなければ意味がない、辛くなければ価値がない」を合言葉に、社会の課題と向きあい、自分たちなりの解決策を考えています。
■研究テーマ

リスク社会をどう生きればいいのか -調整と共生から考える現代社会-

■研究内容
 現代社会は,科学発展と同時に自然災害や環境破壊など,我々個人の生活を超えて,社会に対して被害を与えるようなリスクが脅威を増し,その脅威から完全に逃れることが難しくなった時代だと言えます。しかも,リスクへの対応について,社会にとって最適な選択と個人にとって最適な選択が必ずしも一致しないために,社会としてリスクにどのように向き合えばよいのか,という方針自体も混乱している場合があります。
 たとえば,我々は災害の被害を減らすために住宅の耐震化が必要だという事は知っていても,生活上の優先順位を考えた際に,最優先で耐震改修を行う方は少数です。これは個々人の生活のうえでは合理的な選択ですが,結果的に災害に弱い社会を作りだしていることにもなります。こうしたリスクへの対応を巡っては,リスクの大きさを測るために危険性の評価が議論の焦点になりがちですが,本ゼミナールでは危険性の評価ではなく,上記のような「社会にとって最適な選択と個人にとって最適な選択は必ずしも同じではない」という点に焦点を当て,その解決に向けて学問的に取り組んでいきます。
ゼミナールの進め方について
 ゼミナールの進め方としては,「理論と現場の双方に学ぶ」ことを重視します。3年次は,主に文献の輪読と共通テーマの研究によって進め,リスク研究の基礎を学びます。4年次は,学生それぞれが設定した問題関心について,フィールドワークや統計データの収集・分析を行うことを通して,リスクに対して,社会や人々はどのように向き合えばよいのか,という点を考え,ゼミナールの場で議論しあい,卒業論文として取りまとめていくということを予定しています。
なお,取り扱う課題の関係上,学習に対する真摯な姿勢が求められます。
 
その他(学生へのアドバイス)
 私が恩師から教わった言葉に「学びとは,楽しくなければ意味がない,辛くなければ価値がない」という言葉があります。社会の課題と向き合い,自分なりの解決策を考えだしていくという,辛くも楽しいリスクについての学びを,皆さんと深めていければと思います。