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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[高馬 京子]

明治大学情報コミュニケーション学部 分析ゼミナール(3年生)紹介
高馬 京子 准教授
(主要担当科目)地域文化論(フランス)

≪学生へのメッセージ≫

 トランスナショナル/ボーダー,まんがなども含む様々なマス/デジタルメディア,言説・表象をキーワードに現代社会におけるファッションをめぐる諸問題を学生の皆さんと発見分析解決していきたいと思います。
■研究テーマ
 ファッション・スタディーズ:メディアにおいて構築/伝達されるファッション(服飾流行)
■研究キーワード
「ファッション」「マス/デジタルメディア」「オウンド・メディア,アーンド・メディア,ペイド・メディア」「言説」「表象」「超域(トランスボーダー)」「アイデンティティ」「規範としてのジェンダー像」
■研究内容
 メディアの発達による情報コミュニケーション方法の変化は,文化形成,普及に影響を及ぼし,その結果,文化概念そのものが大きく変容してきている。ファッションも例外ではないのではないだろうか。今日,伝統的なメディアだけではなく,発信者と受信者の境目を曖昧にしたデジタルメディアが発達した現代社会のメディア環境で,記号的表象としての文化産物としてのファッション(服飾流行)は,今まで以上に国境,ジェンダー,階級,企業といった様々なボーダーを超越しながら重層的に展開し,形成,伝達,再編され続けている。本ゼミナールでは,トランスボーダーに形成,伝達,再編され続ける表象文化としてのファッションとそれらを装置としてメディアで形成される規範としてのジェンダー表象について考察する。ゼミで研究されるファッションに関する主要な問は以下の4つである。

  1. [メディアの変遷とファッションの形成・伝達方法の変化] メディアの変遷とともに,ファッション(服飾流行)はだれが,いかに,何の目的で形成し,誰にむけて伝達するようになったのか。

  2. [現代の複雑なメディア環境におけるファッション形成と伝達の仕組み] デジタルメディアが発達した現代において,ペイド・メディア,アーンド・メディア,オウンド・メディアとしての旧来のマスメディアとデジタルメディアは,どのように相互影響を及ぼしながらファッション流行を形成・伝達するのか。

  3. [ファッションとアイデンティティの関係] 国籍,ジェンダーなど様々な現実の自分を乗り超えて,理想の自分といった「自己」のアイデンティティ形成(kaiser2012)の装置としてのファッションが,様々なメディアの中でいかに形成・伝達され,どのようなアイデンティティ形成/消費を促そうとしているか。

  4. [海外ファッションの異文化表象] 日本のメディアは明治以降,フランスを中心とした西洋のファッションをお手本にし,憧れるための様々な欲望と共に「日本」のファッション文化を形成,伝達したのに対し,またフランスのメディアは同時期からkimonoをオリエンタリズム的観点から形成,伝達してきた。このように,海外ファッションを異文化表象する際には,その本国で表象されているものと異なるのか,また,その背景にいかなる二国間の社会的・力関係が潜んでいるのか。
以上4つの問をベースとし,ファッションと上記したキーワードを中心とするファッションに関する事例調査,事例研究,関連方法論の批判的購読を通して,グループ調査・研究を中心に,現代ファッションとメディアの関係を多角的に分析する。
その他(学生へのアドバイス)
英語,できればその他の外国語の文献,メディア記事が読めることが望ましい。