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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[宮本 真也]

明治大学情報コミュニケーション学部 分析ゼミナール(3年生)紹介
宮本 真也 教授
(主要担当科目)コミュニケーション思想史

≪学生へのメッセージ≫

 社会学の課題は、現代という時代のなにが問題なのかを感知し、観察し、分析することにあります。そのうえで批判すべき点を見つけ出して、解決策が出せないまでも、その方向性を模索することが必要です。このゼミに来るみなさんは、なによりも、自分自身の成り立ち、アイデンティティや、社会との関係、社会が進展していくダイナミズムに関心を持っていて欲しいと思います。そのかぎりで、みなさん個人の自由を重んじます。
■研究テーマ
 現代社会と社会理論 
■研究内容
  本ゼミナールでは,現代社会における文化現象,社会的な病理などについて問題点を見いだし,社会学的な観点から分析し,考察を加えることを目的とする。その意味では,本ゼミナールは基本的に個人戦である。社会についてそれぞれに問題関心,疑問,批判的意見を持っている学生の参加を期待したい。
 それゆえ,学生にたいして教員が積極的にテーマを振り分けない。教員がここでできることは,それぞれの個別的な社会についてのテーマを読み解くための道具立て(社会理論,社会学説,理論哲学,現代思想)についてアドバイスを与えたり,個々の研究が進むに応じて共に考察を進めていくことである。それぞれに問題をもって,2年間でなんらかの考え方を持ってもらいたい。ゼミの時間では,現代社会論の文献を購読し(以下の「参考文献」を参照),思いつきやその場しのぎにはならない,筋の通った議論の仕方を学ぶ。「今,ここにある」問題を追究して,「何処か遠くの知らない異文化の誰か」とも分かり合える言葉を探してもらいたい。そのため本ゼミでは留学希望者を歓迎する。また,ドイツなどへの研修旅行も行うことも念頭に置いている。

個別的な研究テーマの例を参考までに挙げておきたい。
・孤独をめぐる産業 ・若者の自分らしさの意識と友人関係について
・ストリートダンスとはいったい何であるのか? ・ロックの歴史
・なぜ下町は残ったか? ・現代社会が生んだ心の病の実態を探る
・携帯電話のデザイン ・国家に飼いならされた民衆 ・家族とくに女性の労働問題
・デパートの歴史 ・ユニバーサル・デザインについて 
これらのテーマは具体的な文化・社会現象を扱うものだが,ポスト・モダン理論(リオタール,フーコー,デリダ),批判的社会理論(アドルノ,ハーバーマス,ホネット),現代社会理論(ギデンズ,S・ラッシュ),心理学理論を検討するという研究も歓迎する。
その他(学生へのアドバイス)
 社会・文化現象についての自分自身のテーマを確定しておくこと。そのテーマについての入室希望者の理解と関心を入室試験では尋ねる。