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教員と学生、卒業生による座談会

教員と学生、卒業生による座談会(2018.12.14)

自由に学ぶことによって得られる情報社会を生き抜く力とは?



学びたいことを自由に学べるカリキュラムが特長の情報コミュニケーション学部(情コミ)。
その自由な環境で培われる力とは何なのか。
学部長を交えて、教員と学生、卒業生が熱く語り合いました。

自由に学べることが情コミの魅力

—情報コミュニケーション学部は昨年度からカリキュラムが新しくなり、授業をより自由に選べるようになりました。学生のみなさんは情コミ学を学んでみていかがですか?

3年 山木 康聖 3年 池上 みのり

池上 授業が自由に選べるので、時代の変化に合わせて学べていると感じます。私の場合は国際問題に関心があるので、国際社会の変化に合わせて授業を選んでいます。たとえば、イギリスがEUを離脱した時にヨーロッパの現代政治の授業を受けたり、トランプ大統領の就任が話題になった時にアメリカ政治のゼミに半期で入ったりすることができました。
山木 自分が学びたい授業を自由に選べるのは魅力ですね。僕は1・2年次で自分の興味のあることを幅広く学ぶことで、自分が一番関心があるのは経営学だと気づくことができました。また、フジテレビとの提携プログラムで初めてキャスターを体験し、アナウンサーに興味をもちました。関心のある分野に気づかせてくれるだけでなく、将来の夢も与えてくれる学部だと感じます。

自由の中で考える経験が社会で生きる

—卒業生のみなさんは、現在の仕事をしていて、情コミで学んでよかったと思うのはどのような点ですか?

2009年卒業 石田 祐亮 2012年卒業 倉田 明恵

石田 情コミは他学部に比べて学べる範囲が広いため、自分が疑問に思ったことを自分なりに勉強することができます。その経験が、仕事で問題を解決する素養になっていると感じますね。高校までは答えや考え方を覚えれば解決できる問題が多いですが、社会に出るとほとんどの問題に答えがありません。
倉田 私は大学時代の経験が今の仕事に大いにいきていると感じます。情コミはとにかく自由。カリキュラムに縛りがない分、授業や進路選択など自分で判断する機会が多くありました。その経験が、現在の雑誌編集の仕事に役立っています。テーマを決めたり、絵コンテを書いたり、すべてゼロの状態から自分でつくる点は情コミに通じるところがあります。

自由は「問いを立てる力」を養ってくれる

—先生方は、情コミをどのような学部と捉えていらっしゃいますか?

大黒 岳彦 学部長 牛尾 奈緒美 教授 小林 秀行 専任講師

小林 本学の中でも、特に情コミは人の話を素直に聞ける学生が多いと感じます。相手の意見を否定せずに、きちんと自分の中に飲みこもうとするのです。もちろん素直に聞くだけの学生は他大学にもたくさんいるのですが、情コミの学生は話を振ると、きちんと自分の考えが返ってきます。素直さと主体性を兼ね備えている学生が多いというのは情コミの特色なのではないでしょうか。
牛尾 卒業生2人の話にあったように、社会に出ると、答えのない問題に答えを出し、潜在的な課題に気づいて自ら問題を提起していく力が求められます。それを学生時代に体験できるのが情コミです。先が読めず、変化を強いられる現代社会において、情コミは常に社会の潜在的な問題を問い続け、答えを出していく学部だと思います。その点においては本学でも唯一無二の学部で、明治ブランドの大事な一角を担っているのではないでしょうか。私は毎年新入生に「社会に出た後に、情コミほど役に立つ学部はない」と伝えています。
大黒 実は昨年度のカリキュラム改革には「自分で問題を創るセンスを身につけてほしい」という思いを込めています。問題を創るためにはセンスと絶対的な知識量が必要となります。センスだけでなく知識がないと、問いを立てる素材がないからです。仕事では白紙状態から何かを立ち上げる力が求められます。おそらく今後の情報社会では多くの分野でそれが求められるでしょう。情報社会は、自ら問いを立てられる人が生き残っていける社会だと考えています。問題提起する力を養う情コミは、情報社会をリードしていける学部だと思いますね。

自由であればあるほどよいのか?

—情コミの特長として自由であることが挙がっていますが、みなさんは情コミの「自由」についてどうお考えですか?
倉田 今よりもさらに自由な学部になってほしいです。自由の中で考えた時間は、社会に出た後に必ず自分に返ってきます。考える機会を学生にもっと与えてもよいのではないでしょうか。
大黒 倉田さんのいうことももっともです。しかし、学生を完全に放っておく訳にはいきません。時にはアドバイスして軌道修正をしてあげることが、教員の役割だと思います。私のゼミはどちらかというと自由放任ですが、本学部には“ 親心” 的な指導をする教員もいます。それが情コミの「多様性」であり、学部から学生に提示する選択肢だと思うのです。
牛尾 「多様性」というのはひとつのキーワードですね。学長がよくおっしゃるように、教員は上から教えるのではなく、学生と同じ立場にいて学ぶ存在です。多様な教員と多様な学生の相互作用によって新しいものが生み出されるのだと思います。また、自由な教育は、一見すると学生任せに見えますが、情コミには学生一人ひとりを見る、きめ細やかな教育もあります。困ったことがあれば教員は親身になって相談に乗るでしょう。放り出すような非情な自由ではなく、愛のある自由なのです。
池上 自由に学べるからこそ、学生はある程度目的をもって大学生活を過ごすことが大事だと感じます。
山木 僕も、情コミで「これをやりたい」という思いをもって入学するのは大切だと思います。僕は1・2年次には本当にやりたいことがまだ見つかっていなかったので、授業選択は幅広い分野の単位を取ることも意識してしまいました。
小林 素朴でもよいので、何かしらの思いと学びへの意欲をもって入学してほしいですね。自由を使いこなすのは、実はしんどい。問いを立てるには、学びを通して自分の枠を広げ、そこから熱意や努力でひねり出していくしかありません。思いと学び、どちらもあって、はじめて自由を使いこなせるのだと思います。
石田 卒業生として 1・2年次のキャリアデザインの授業をやらせていただいているのですが、「大学では何かすごいことをやりたい」と答える学生が多いです。ただ、みんな自分の好きなことは意外と深掘りできません。何が好きなのか。なぜ好きなのか。自分の中の小さなことが自分で分解できなければ、大学で「すごいこと」をやるのは難しい。学生たちにはさまざまなことにふれ、ゼミや授業で自分の好きなことを広げていってほしいですね。
—みなさん、ありがとうございました。

大黒岳彦学部長(中央)を囲んで

 登場する人物の在籍年次や役職などの情報は、取材当時のものです。