Master of Public Policy, MPP

公共政策のプロフェッショナルを育成する公共政策大学院ガバナンス研究科

【松浦正浩専任教授】コロナ禍後の世界を見据えるオンライン・ワークショップ:オープンキャンパス開催報告

本コラムは松浦正浩専任教授が執筆しております。 筆者:松浦正浩教授

ガバナンス研究科(公共政策大学院)では、2020年5月30日(土)13:30から今年度2回目のオンライン・オープンキャンパスを開催しました。当日は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、明治大学は全学で入構制限措置を実施しておりましたが、このイベントはインターネット会議システムを用いることで、30名以上の多くのみなさまにご参加いただくことが叶いました。


当日は、長畑誠専任教授(研究科長)による研究科概要の説明の後、筆者による特別講義「コロナ禍収束後の世界を見据えたトランジション・マネジメント」が行われました。トランジション・マネジメントは、人口減少や地球温暖化などの長期トレンドに合わせて、社会の仕組み(法制度、社会インフラ、習慣など)の変革させるプロセスで、その概要は前回の連載で紹介しました。

オープンキャンパスの後半は、一般参加者のみなさんにご参加いただき、

  • コロナ禍によって変わりそうな社会の仕組みを整理
  • 変化によるメリット・デメリットを検討
  • いまから準備すべきことを確認
するディスカッションを行いました。

ディスカッションは、ガバナンス研究科で利用しているオンライン会議システム「ZOOM」のブレークアウトルーム機能を用い、少人数のグループに分かれて行いました。また、各グループでは、ガバナンス研究科の修了生や在学生がオンライン・ファシリテーターとして進行しました。

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社会の仕組みはどのように変わるのか?

社会人大学院であるガバナンス研究科のオープンキャンパスらしく、参加者のみなさんの多くが社会人であったこともあり、ディスカッションを通じて出てきたコロナ禍による変化として、在宅勤務・非対面業務の広がりが多く挙げられました。

在宅勤務についても、業務効率化のようにポジティブにとらえるものもあれば、逆に格差拡大や緊張感不足などネガティブにとらえるものもありました。つまり、在宅勤務といっても、その社会的なメリット・デメリットは立場によっても異なりますし、在宅勤務する個人としてもメリットもあればデメリットもある、というように、多面的に捉える必要性が明らかになりました。

たとえば自宅で料理をする機会が増えたという方が複数いらっしゃいましたが、それを新しい楽しみと捉えるか、家事負担の増加に捉えるかは、参加者によって大きく異なりました。コロナ禍による変化をポジティブに捉えられるようにする仕掛けの必要性(例えば「ナッジ」の利用など)も今後必要になってくるかもしれません。

ほかにも清潔意識の高まりなどに加え、英語コースを擁するガバナンス研究科らしく、海外渡航が困難になり、現地でのボランティア活動が中止になったことを指摘する方もいらっしゃいました。国際的な活動はオンラインで一部継続できているとはいえ、コロナ禍により、従来のグローバル化傾向に強い歯止めがかかった状態がしばらく続くのかもしれません。

コロナ禍後を見据えた対策

社会の仕組みが変化したことはみなさん気づいていますが、では、私たちひとりひとりは、変化に対応してどのような対策をとるべきでしょうか?今回のディスカッションでも、参加者のみなさんがすでに実践されている取り組みもご紹介いただきながら、具体的なアイディアがたくさん出てきました。

感染防止や健康維持の観点では、日頃の感染予防策の確立や情報共有、自宅でも計画的な生活や運動を心がけるメンタル面の対策が挙げられました。具体的には、時差通勤やマスク等の準備のほか、トレーニングマシンの利用や自宅でもお化粧をするなどのアイディアが出てきました。

ほかにも自己研鑽機会やICT教育の拡充、民間の先行事例を活用した行政のICT化、国内旅行の活性化など、身のまわりの対策から公共政策としての対策まで、多様なアイディアが提案されました。ディスカッションを通じて作成されたワークシートやそれらのまとめは、こちら(PDFファイル)でご覧いただけます。

コロナ禍は私たちの仕事や生活に大きな変化をもたらしたことは間違いありません。しかし「いつになったら元の生活に戻れるのか?」、「このままずっと続くのか?」と不安に苛まれているだけでは、前に進むことはできません。元に戻らないのであれば、その変化を受け止めて、どのような対策をとればよいのか?今回のオンライン・オープンキャンパスのディスカッションは、その疑問へのこたえを導き出すひとつのきっかけになったはずです。

ガバナンス研究科の講義には、受講者のディスカッションを通じた「学びあい」を促すものも多く存在します。コロナ禍により2020年度春学期は対面での講義が困難になりましたが、多くの教員が、ZOOMのブレークアウトルーム機能などを最大限活用して、このような「学びあい」の場を継続しています。

今後もオープンキャンパス、シンポジウムなど、さまざまな一般公開イベントを開催していく予定でございます。みなさまの積極的なご参加をお待ち申し上げております。