かわぐち かいじ 先生
鹿島 茂 教授
高山 宏 教授
明治大学国際日本学部は、5月24日(土)に本学部の開設を記念して、開設記念式典及び講演会を本大学アカデミーホールで開催しました。
本学部は、日本研究を中心とした先進的かつグローバルな教育システムと双方向の留学生交流ならびに国際学術交流に基づいて、明治大学の一層の国際化を担い、「強い『個』」として広く国際社会で活躍できる人材を育成することを目的として、2008年4月に開設されました。
【記念式典・講演会プログラム】
【記 念 式 典】
開会の辞 (国際日本学部長 蟹瀬 誠一)
学長挨拶 (学長 納谷 廣美)
理事長祝辞(理事長 長堀 守弘)
【記 念 講 演 会】
かわぐち かいじ 先生(漫画家)
講演テーマ:「マンガ表現の面白さについて」
鹿島 茂 明治大学国際日本学部教授
講演テーマ:「サン・シモン主義と渋沢栄一」
高山 宏 明治大学国際日本学部教授
講演テーマ:「メディアの近代史—イグナチウス・デ・ロヨラとマーシャル・マクルーハン」
式典は,村山富一元首相、本学役員、校友、教職員及び本学在学生ら多くの来賓,招待者を迎え挙行されました。
記念式典では、蟹瀬誠一学部長の開会の辞に始まり、納谷廣美学長の挨拶、長堀守宏理事長の祝辞が続きました。
記念講演では、漫画家のかわぐちかいじ氏「マンガ表現の面白さについて」、本学部鹿島茂教授「サン・シモン主義と渋沢栄一」、同高山宏教授「メディアの近代史—イグナチウス・デ・ロヨラとマーシャル・マクルーハン」と、日本・海外に視点をおいた講演が行われました。
本学文学部卒業生でもあるかわぐち氏は、日本のマンガにはコマ割りや沈黙表現に独特の手法があることを明らかにしながら、海外とのマンガ文化の違いを述べ、今後のマンガの発展・国際化についてお話しくださいました。
鹿島茂教授は、渋沢栄一がフランスから持ち帰り、後の日本に大きな影響を与えた社会システムの数々が、当時フランスで隆盛をみせた産業人による社会改革、サン・シモン主義によるものであった可能性を示唆し、文化移入にかかわるひとつの問題として提起しました。
高山宏教授は、16世紀半ばの宗教改革で偶像崇拝の禁止が緩められたことに端を発する、イエズス会士のヴィジュアル要素の強い布教活動について、河童伝説、出雲阿国、歌舞伎等々にも縦横に話題を拡げながら、カトリック教会集団がメディアを席巻したことの意味を問いました。
三氏はともに、新学部への期待と同時に、特に会場の新学部生に対して、世界を相手に学ぶことの意義と喜びを語り、参加者からは満場の拍手があがりました。