国際日本学部特別講義「映画と美術のあいだ – 日本と韓国の映像作品を中心に」を11月17日(日)に開催します。この度の開催は、現代美術分野で国際的に活躍する日本と韓国のアーティストを招いた映像作品の上映とディスカッションが行われます。20世紀における日韓の文化的記憶をめぐる二つの上映作品は、美術館のなかで展示(インスタレーション:installation)という形式で発表されました。「ブラックボックスと言われる映画館とは異なる環境のなか、展示室内を移動する観客に向けて、二人の美術作家はいかなる方法論で空間と時間を演出(installing time in space)したのだろうか?」本特別講義では、現代映像芸術表現の射程を検証し、展示と上映という二つの鑑賞形式における観客性(spectatorship)を分析します。
【講師略歴】 藤井光(FUJII Hikaru)氏: 1976年日本生まれ。近年の主な作品発表・受賞歴に、《無情》(あいちトリエンナーレ2019)、 《2・8独立宣言書|日本語で朗読する》(Zero Gravity World展、韓国ソウル市立美術館、2019)、《The Primary Fact》(Onassis Fast Forward Festival、ギリシャ、2018)、《日本人を演じる》(NISSAN ART AWARD 2017、横浜、グランプリ受賞)など。2018、2019年度に国際日本学部「メディア・アートB」/「Media Arts B」の内でワークショップ「日本人を演じる(Playing Japanese)」を行った。
ナム・ファヨン(NAM Hwayeon)氏: 1979年韓国生まれ。近年の主な作品発表歴に個展「Abdominal Routes」(クンストハーレ・オーフス、デンマーク、2019)、個展「イムジン河」(視聴覚、韓国、2017-2018)、《Throbbing Dance》(REENACTING HISTORY展、韓国国立現代美術館、2017)、《The Botany of Desire》「All the World’s Future」展(第56回ヴェネチア・ビエンナーレ、2015)など。植民地時代の朝鮮半島に生まれて日本(内地)でデビュー・活動したダンサー崔承喜(1911-1969)を素材にした《半島の舞姫》が、2019年第58回ヴェネチア・ビエンナーレの韓国館にて展示中。