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国際日本学部

山脇ゼミが横浜市立相沢小学校の6年生を対象にオンラインで多文化共生ワークショップを開催しました

2021年12月02日
明治大学 国際日本学部

 山脇ゼミ3年生(12期生)は、11月22日に横浜市立相沢小学校6年生の2クラス(計33名)を対象にした第2回多文化共生オンラインワークショップを開催しました。今回は「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」を題材に、誰もが持ってしまう「勝手な思い込み」を見直すワークショップとなりました。少しでも身近に感じられるよう、当日は「アンコン」という略称を用いて子どもたちに説明しました。

今回の目的は、小学生に「アンコン」を知ってもらい、自分事として捉えてもらうことです。少し難しい内容でしたが、今年7月12日に小学生と仲良くなることを目的として第1回ワークショップを行っていたため、楽しくワークを進めることができました。構成は①「アンコン」の説明②身の回りのアンコンを探す③アンコンに気づかなかったらどうなるかを考える④まとめという4部構成です。2人で一つのiPadを使ってzoomに参加してもらい、②、③のワークを8人一組で4グループに分かれて話し合いました。

第1部のアンコンの説明では、まず以下の質問を投げかけました。

ケガをしたお父さんと息子が病院に運ばれました。病院のお医者さんは運ばれてきた息子を見て、「これは自分の息子です」と言いました。いったいどういう意味でしょう?

これは、性別にまつわるアンコンに気づかされる質問です。「お医者さんがお母さんだった」というのが回答ですが、「お医者さん=男の人」というアンコンを持っている人は混乱してしまいます。実は私自身、初めてこの質問を投げかけられた際は理解できませんでした。難しいのではと心配していましたが、小学生はすぐに回答にたどり着き、感銘を受けました。

第2部では、身の回りのアンコンについて話し合いました。小学生が何も思いつかなかったときのために以下のようなイラストを用意しました。





外国人だからと見た目で判断して英語で話しかけたり、はしが使えることに感心したりするのは、アンコンによるものだと多くの小学生が気づいてくれました。中にはイラストを利用する必要がないほど意見が活発に出たグループもあり、大変活気あるワークショップとなりました。

第3部では身の回りのアンコンに気づかなかったらどうなるかについて話し合いました。自身の経験を思い出しながら話してくれる子や、例に挙げたイラストを基に考えてくれる子どもたちが多く、こちらも活発に意見が出ました。何かに違和感を持っても、「どうしてそうなのか理由を考えるようにしたい」と話してくれたことが印象的でした。

第4部のまとめでは、アンコンは誰もが持ってしまうもので、それ自体は必ずしも悪いことではないということを話したうえで、それによって傷つく人や悲しい思いをする人がいることを覚えていてほしいと伝えました。最後には多くの子どもたちが感想を発表しようと手を挙げてくれました。お別れの際には画面越しに大きく手を振ってくれ、今回のワークショップも楽しんでくれたようでとても安心しました。

新型コロナウイルスの状況にもよりますが、次回の第3回ワークショップは対面で行う予定です。小学生のみんなに会えることが今からとても楽しみです。より充実したワークショップになるよう、今後も話し合いを重ねていきたいと思います。

以下、参加した子どもたちの感想です。

「だれかが髪を切った時に、男みたいだなと思ったことがなんどかあった。アンコンはSDGsの5番のジェンダー平等にも関係していると思う。自分だけの思い込みがだれかを傷つけてしまうことがある。」           

「明治大学の人とアンコンシャスバイアスについて学んで、この言葉にたくさん意味がつまっている。自分でも男だから女だからじゃなくて、自分がこういうのが好きと言いたい。趣味や考えや悩んでいることはそれぞれ違うということがわかった。」
                              
「私は今日のZoomでアンコンシャスバイアスを知って、見た目だけで判断してしまっていることに気をつけようと思いました。外国人だからはしがつかえない。男だから髪が短い。こういうことがアンコンシャスバイアスだと、この授業を通してとても分かりました。                            

「今日アンコンシャスバイアスについて山脇ゼミの方々と勉強して、自分の中にもたくさんのアンコンがあって、昔や今もほかの人を自分のアンコンで悲しませているかもしれないと知った。だから頭の中にアンコンを入れて過ごして、それぞれの個性を出せるようにしたいです。」

「アンコンシャスバイアスについて勉強して、男の子だから、女の子だからこうしないといけないと、私の心の中で無意識に決めつけているところがあって、びっくりしました。決めつけから差別やいじめが起きていると思いました。私は英語が大好きですが、日本人なのに英語習ってるのと言われたことがあります。アンコンはいいこともあるし悪いこともあって、考えることはとても楽しかったです。日常生活の中で勉強になることがたくさんあったので、生活に生かすためにがんばります。」

「アンコンシャスバイアスについて自分が日々意識していなかったとしても、考えてみたらたくさんあったことに気づいてびっくりした。そして小さなアンコンが大きくなって、多くの争いをおこす原因になるのかなあとも思いました。例えば宗教や価値観の違いから戦争などが起きていることも関係があると思った。一人一人が少しずつアンコンについて考えると、もめごとが起こることが少なくなるのかなあと思いました。」

「2回目の授業を受けて、アンコンシャスバイアスという言葉を初めて知りました。意味を聞いてみたら、「あ、自分もしてるんだなあ」と感じました。アンコンの使い方もかんがえたいなあと思いました。これから先に無意識にアンコンを使う場面が出てくるけど、使っていいところと、ここではあんまり使わない方がいいんじゃないかなあ、と使い分けができたらいいなと思います。」

「今回Zoomをして、アンコンを知りました。前回と同じように楽しくみんなと学べました。確かに、あ~そういえばそうだって思うことがたくさんありました。アンコンは悪いことだけではないけど、人が傷つくこともあるから、一つ一つの言葉を考えなおしたいと思いました。」    

「このアンコンシャスバイアスは案外身近なんだなと思いました。自分も経験があったけど、友達にも経験があったから身近だなと思いました。今日このことを知って、周りの人を気にかけ思いやれるようにしたいと思いました。」 

「アンコンシャスバイアスという言葉を知りました。意味は無意識の偏見という意味です。今回のワークショップでみんなや自分にもたくさんのバイアスがあることに気づきました。でも、男だから、女だからということが悪だとは思いません。現代ではノンバイナリーの人たちなどにやさしい世の中になってきてますが、僕もそれはいいと思います。でも押し付けるのは違うと思います。一応、男は男、女は女なので、この考えをくつがえすのは時間がかかると思います。」
(国際日本学部3年 土橋成実)