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国際日本学部

金ゼミが台北駐日経済文化代表処を訪問しました。

2023年06月26日
明治大学 国際日本学部

金ゼンマ・ゼミの4年生は金先生の引率のもと、2023620日に台湾の日本における外交の窓口機関である台北駐日経済文化代表処(以下駐日代表処)を訪問しました。日本と台湾は正式な国交がないため、駐日代表処が実質的に大使館や領事所の役割を果たしています。今回の訪問では、台湾の歴史や日台関係について学び、また事前に用意した質疑を通じて駐日代表処と意見交換し、交流を深めました。

質疑応答は「政治」「経済」「文化」の3班に分かれて行われ、「政治班」は、台湾総統選挙に関しての質疑を行いました。2023年に3月に馬英九前台湾総統(国民党のトップ)が中国を訪問したことが、2024年の台湾総統選挙にどのような影響を及ぼすと考えられるのか、といった質問をさせて頂きました。その返答として、実際に選挙の結果を見てみないとわからないが、様々な意見を持てることが民主主義を採用している台湾の特色であり、考えに多様性があるということを伺いました。

 

「経済班」は、台湾の半導体産業に関する質疑を行いました。昨今、その重要度ゆえに頻繁に取り沙汰される半導体産業において、台湾は強烈なプレゼンスを放っています。台湾半導体産業のリーディングカンパニーであるTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチュアリング・カンパニー)は昨年から日本やアメリカに半導体の工場を建設するなど急速な海外展開を進めています。このような海外進出には台湾の国策としてはどのような意図があるのかについて伺いました。その返答として、日本、台湾、アメリカの交流の一助になるという点と、TSMCの世界的なシェアが高すぎる点の二点を挙げて頂きました。グローバル化する社会において、様々な国において技術を普及することは非常に重要であると仰いました。加えて、TSMCの高シェアの弊害として、政治的・経済的なリスクの増加が懸念されているので、世界各地における工場の新設はリスクの分散につながるとのことも教えていただきました。

 

「文化班」は、台湾の食文化についての質疑を行いました。台湾においては、中国大陸の食文化などが混ざり合い多様な食文化が存在していますが、その要因について伺いました。その返答として、蒋介石が台湾に来た際に中国各地のシェフを連れてきたことが一つの要因で、ルーロー飯などの台湾料理ものちに生まれることになったのではないかという見解を伺うこともできました。

 

アジア太平洋地域の政治経済を学ぶ上で、中国と台湾の両岸関係問題は避けて通れない議題であると同時に、台湾や中国出身のゼミ生も在籍していることから、台湾についての理解を深めたいと考え、今回の訪問が実現しました。限られた時間の中での訪問でしたが、台湾のこれまでの歴史や日台交流がどのように行われてきたのかなど、台湾について理解を深めることができました。また、国際関係における台湾側の立場や視点についても学び、充実した有意義な時間を過ごすことができました。

 

笠原楓太(金ゼミ4年)

髙岡力(金ゼミ4年)