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国際日本学部

国際日本学部山脇ゼミが、中野区職員を対象とした「やさしい日本語ワークショップ」を担当しました

2023年11月16日
明治大学 国際日本学部

山脇ゼミは20231027日に中野区職員を対象とした多文化共生研修の一環として、やさしい日本語ワークショップを担当しました。当日は、山脇啓造教授による多文化共生に関する講義の後、ゼミ生が「やさしい日本語(書き言葉編)」のワークショップを行いました。計23名の職員の方にご参加いただきました。

「多文化共生のまちづくり」を研究テーマとする山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の普及活動をしています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、尊敬語や謙譲語、熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。山脇ゼミは、豊島区で2020年度と2021年度に、中野区では2021年度と2022年度にそれぞれ2回ずつ、やさしい日本語のワークショップを担当しています。そして、今年度も、7月のやさしい日本語の話し言葉に関するワークショップに続いて、2回目の開催となりました。今回のワークショップでも、出入国在留管理庁と文化庁が策定した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(20208月)を参考に、ゼミ生が作成した問題を使用し、難しい日本語を簡単に言い換えるワークを行いました。

 

ワークショップの構成は、①導入(やさしい日本語の説明)、②グループに分かれての実践練習、③まとめの3部構成です。導入では、やさしい日本語を使うときのマインドセットやスキルを伝えました。また実践練習では、外国から中野区にやってきた留学生が直面する困難をテーマに、転入届、マイナンバーカード、自然災害など実際の行政文書の内容を取り上げ、3つのステップに沿ってポイントごとにワークを行いました。

 

ワークショップ後に行ったアンケートでは、「やさしい日本語を使った歩み寄りのコミュニケーションの大切さが理解できたか」という問いに対し、77.3%の方から「非常にそう思う」、22.7%の方から「そう思う」とご回答いただき、スキルだけでなくマインドセットの大切さも伝えることができたのではないかと思います。また、「グループワークはわかりやすかったか」という問いに対し、54.5%の方から「大変分かりやすかった」40.9%の方から「わかりやすかった」という評価をいただきました。その他、以下のようなコメントをいただきました。

 

「学生さんが1グループお一人ずつ入って、アドバイスやポイントを丁寧に教えてくださったことがとてもよかったです。役所では当たり前の言い回しでも、実は不親切な言い回しがたくさんあることがよくわかりました。なかなか役所の中側からでは気づきにくいことも、学生の皆さんの視点でお話しして下さったことで気づきにつながったと思います。」

「今回、普段使用している言葉でも、伝わらないことがあるんだと知ることが出来ました。短い言葉で完結に説明できるよう心がけていきたいと思いました。」

 

「学生がディスカッションのファシリテーターを務めることは、世代間交流にもなって良いと思いました。」

 

山脇ゼミの中野区での研修は、今年で3年目、そして毎年2回開催しているので、あわせて6回目となります。国際日本学部が中野区に移転した2013年度以降、区長と留学生の懇談会、なかの多文化共生フォーラム、なかの生涯学習大学との合同ゼミなど、中野区との連携に力を入れてきた山脇ゼミにとって、中野区職員の多文化共生研修を担当させていただくことは大変有難いことだと感じています。

 

今回のワークショップは3年生(14期生)が主体となった初めてのものでした。ゼミ生との情報共有や資料、ワークショップ内容における改善点も見つかりました。私は今回初めてプロジェクトのリーダーを務めさせていただきましたが、メンバー間での意思疎通や計画通り進めるためのスケジュール管理などに難しさを感じました。反省点もあった一方で、研修を受けた職員の方から「業務で外国人だけでなく高齢者の方にもやさしい日本語を使ってみようと思う」などの声もありました。自分たちの活動を理解してもらうことができ、やりがいも感じました。今後も中野区における「多文化共生」のまちづくりに貢献したいと思います。

(国際日本学部 3年 中込伶唯)