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国際日本学部

国際日本学実践科目の履修生がノルウェーのエネルギーソリューション企業 Volueの日本法人を訪問しました

2023年12月21日
明治大学 国際日本学部

2023年度秋学期の「国際日本学実践科目D」では、日本の資本主義、企業経営の特徴を浮かび上がらせるプロジェクト型の学習を進めています。そのため首都圏に所在する企業本社、事業所などを訪問し担当役員等よりレクチャーを受ける学外実習を4回、設けることにしました。履修生は事前に各社の経営戦略やその実現状況について学習を重ね、それぞれの視点から質問を行えるようにしています。
その3回目はさる12月1日に実施、東京丸ノ内北口にあるフレキシブルオフィスのWeWorkに日本の拠点を設けるVolue合同会社に出向いて、同社の松本健一会長兼カントリーマネージャー、及び蔡裕立テクニカル・ビジネス・ディレクターからお話しを伺いました。
Volueはノルウェー王国のオスロに本拠を置き、欧州全域においてエネルギー関連のソリューションを提供する企業です。エネルギー関連のデータ提供や予測、エネルギー生産や売買の最適化と自動化等に適したソフトウェアの開発と提供などを行う先進企業で、日本においても事業拡大を行うべく2022年に東京に拠点を設けました。
その会長である松本さんは、1980年に三井物産入社、20年以上、勤務しエネルギー部門などで実績を重ね、その後、外資系企業の経営にも携わり日本における事業拡大に貢献されてきた方です。また蔡さんは台湾出身で、応用数学で東京大学から博士号を授与されています。
お二人からは、脱炭素に舵を切っている欧州の状況を踏まえ、日本ではそれが大きく遅れていることを懸念する見方が示されました。日本でもこれまで以上に自然エネルギーの導入が急がれますが、主力となる太陽光と風力は天候による変動が大きく、在庫ができない電力を社会のインフラとして安定的に供給するためのソリューションが強く求められているというお話しでした。
そのため、デジタル技術を活用して状況を可視化、予測・分析して電力事業者や電力の大口需要家に提供するために、その精度を上げる人工知能の開発、プロセス自動化を進めていくということでした。
松本さんからはさらに、キャリア形成についてもご教授いただきました。具体的には、常識としての理論修得と先人たちのコピー、そして自らのインプロビゼーションの3つが重要であること、新しい仕事に取り組むに当たっては仮説と分析・検証計画を立てる過程で、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」(漏れなく、ダブりなくの俯瞰思考)を重視すること、Issue Tree のメソッドを活用しながら解を見出していくことなどを教えていただきました。
また蔡さんからは、同じアジアの国であっても台湾は、新卒採用の日本とは大きくキャリア形成のシステムが異なること、台湾では若者でも自身の強みは何かをプロフェッショナルのレベルで考える思考が根付いている人が多いこと、自分をどう認識するかは厳しい環境で学ぶなかで得られることなどを教えていただきました。
なお、同社がオフィスを構える WeWork は、全国7都市約40拠点に展開され、スタートアップから大企業、自治体やNPO団体、フリーランスなど、多種多様なメンバーが入居しています。 WeWork では、業界業種や企業の壁を越えたコミュニティが形成され、ビジネスにおけるコラボレーションが多く創出されています。
当日は、同社のスタッフの方より WeWork の機能や利用状況などについてお話しを伺った後、拠点内を見学させていただきました。参加した学生は、WeWork での同社のスタッフの方や他の入居メンバーの柔軟な働き方に刺激を受け、多くの気づきを得たようでした。
                      (兼任講師:井上洋)