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国際日本学部

国際日本学実践科目の履修生が株式会社JERAの横浜火力発電所、及び横浜ストロベリーパークを訪問しました

2024年01月09日
明治大学 国際日本学部

2023年度秋学期の「国際日本学実践科目D」では、日本の資本主義、企業経営の特徴を浮かび上がらせるプロジェクト型の学習を進めています。そのため首都圏に所在する企業本社、事業所を訪問し担当役員等よりレクチャーを受ける学外実習を4回、設けることにしました。
履修生は事前に各社の経営戦略やその実現状況について学習を重ね、それぞれの視点から質問を行えるようにしています。
その3回目は、さる12月22日に訪問した株式会社JERAです。JERAは、東京電力と中部電力が出資する企業で、発電、及び電力・ガスの卸販売事業のみならず、燃料の安定確保のため燃料上流・調達から国際物流などにも事業を行う、総資産額7兆円を優に超える世界トップレベルの電力事業者です。
当日のプログラムは、(1)横浜火力発電所7、8号機、中央操作室等の視察と説明、(2)JERAの経営戦略、及びダイバーシティ・インクルージョンの取り組み、(3)特例子会社JERAミライフルの取り組み(障がい者雇用)に関する説明、(4)横浜ストロベリーパーク視察、と盛りだくさんでした。
横浜火力発電所は、液化天然ガスを燃料とし、改良型のコンバインドサイクルという発電方式1軸37.7万キロワットの発電能力のある発電設備が合計8軸ある大規模なものであり、約100万世帯の電力需要に応えることができます。ガスタービンなどの更新により高効率化を実現(100の燃料投入でその55.8%が電力エネルギーとして出力される)するとともに、CO2排出量の大幅削減も達成しています。その仕組みなどを詳細にご説明ただきました。
その後、障がい者雇用に取り組むために設立されたJERAミライフルの本社にて、JERAのダイバーシティ・インクルージョンについて説明を受けました。説明者はJERAの執行役員(企業価値創造担当)でJERAミライフル社長でもある藤家美奈子さんとミライフル専務取締役の南政孝さんでした。
JERAのダイバーシティ・インクルージョンの推進については、女性の活躍などマイノリティに焦点を当てた第1フェーズを経て、現在は「ダイバーシティ&インクルージョンなカルチャーづくり」へと移行しており、そのため経営層と社員、社員と社員のフラットなコミュニケーションを重視した取り組みを進めているとのことでした。もちろん女性活躍などマイノリティの分野の取り組みも引き続き重視し、Femtech(FemaleとTechnologyをかけ合わせた造語で、女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスなどを提供する企業)への投資なども進めているとのことでした。
加えて、JERAが障がい者雇用を積極的に行うためにJERAミライフルを設立した経緯や具体的な取り組みなどもご説明いただきました。特例子会社のミライフルの障がい者雇用分を親会社であるJERAに合算して実雇用率を算定できることから、ミライフルは障がい者が働ける業務範囲を拡大し、雇用者数を計画的に増やしているとのことでした。
併設されている「横浜ストロベリーパーク」では、障がいをもつ社員の皆さんが熱心に働いている現場を視察し、いちごを試食させていただきました。ストロベリーパークは、横浜という大都市でいちご狩りを楽しめる施設として2018年にオープンしたもので、オール電化のハウスで昼夜の温度や日射量などが適切に管理され、一年中、新鮮ないちごが栽培できます。
今回のプログラムを通じて、電力というインフラ系の企業が私たちの生活を支えるだけではなく、障がい者に働きがいの感じられる就業の機会を提供するなど、先進的なダイバーシティ・インクルージョンの取り組みを進めていることが理解できました。
国際日本学部兼任講師 井上洋