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国際日本学部

世代を超えて多様性を語り合う——明治大学父母会での“ついついカード”実践レポート

2025年04月18日
明治大学

明治大学・岸ゼミでは、学生一人ひとりの興味・関心、そして社会への問題意識をもとに、アートベース・リサーチの手法を用いた探究活動に取り組んでいます。その中で生まれたのが、「ついついカード」という、無意識のバイアスについて対話を促すボードゲームです。
このゲームは、「バイアスを正す」ことを目的とするのではなく、対話を通してお互いの視点や背景を理解し、多様な考え方に気づくことを大切にしています。学生たちが、情報リテラシーについての「ついついカード」を参考に開発し、学内外で試行錯誤を重ねながら改良してきました。
今回は、その「ついついカード」を、東京都東部地区ご父母18名、運営委員19名、学生7名、東京都多摩地区運営委員2名、合計46名の方々に体験していただきました。父母会での実践は今回が2回目でしたが、前回以上に多くの方にご参加いただきました。
当日は、私自身がファシリテーターとして各グループを巡り、さまざまな対話の様子を観察しました。同じカードの問いでも、参加者のバックグラウンドによって話の切り口が異なり、グループごとに全く違った盛り上がりを見せていたのが印象的でした。
特に今回は、子育てや仕事など多様な人生経験をもつ保護者の方々ならではの視点や語りに、学生の私たちも大きな刺激を受けました。あるグループでは、学生と保護者で感じ方や考え方に違いがあるといった気づきが共有される場面もあり、世代を超えて多様性について語り合える場として、とても意義深い時間になったと感じました。

参加後のアンケートには、
• 「同じテーマでも年代によって解釈に違いがある」
• 「世代が異なっても同じ無意識の偏見を持っている」
• 「自分の経験からしか判断はできない」
といった率直な気づきや、
• 「実際の場面に遭遇した時にこのゲームを思い出すかも」
• 「人それぞれ無意識なバイアスがあるので、それを悪ととらわれすぎず、その人の価値観として前向きに受け入れたい」

という前向きな感想も寄せられました。
今回の実践では、私たち自身もまだまだ改善すべき点があると感じる場面が多くありましたが、それも含めて非常に学びの多い機会となりました。今後もフィードバックを活かしながら、「ついついカード」をよりよい形に進化させていきたいと思います。
ご協力いただいた東京都東部地区父母会の皆さま、本当にありがとうございました!