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国際日本学部

山脇ゼミが中野区職員研修の一環としてやさしい日本語ワークショップを担当しました

2025年08月04日
明治大学

国際日本学部山脇ゼミは2025711日に中野区職員を対象とした多文化共生研修の一環として、やさしい日本語ワークショップを担当しました。当日は、山脇啓造教授による多文化共生に関する短い講義の後、ゼミ生10名が「やさしい日本語(話し言葉編)」のワークショップを行い、28名の職員の方にご参加いただきました。

 

「多文化共生のまちづくり」を研究テーマとする山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の普及活動をしています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、尊敬語や謙譲語、熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。

 

これまで山脇ゼミは、学校の教職員や小中高生、企業などに向けて「やさしい日本語」のワークショップを開催してきており、自治体職員対象のワークショップは2020年度の豊島区研修から始まりました。豊島区役所で202012月と202112月に実施した後、中野区役所では2021年度から毎年2回実施し、今回で9回目となります。

 

今回のワークショップでも、出入国在留管理庁と文化庁が策定した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(20208月)と「話し言葉のポイント」(202210月)を参考に、ゼミ生が作成した練習問題を使用し、難しい日本語を簡単に言い換えるグループワークを行いました。

 

ワークショップの構成は、①導入(やさしい日本語の説明)、②グループに分かれての実践練習、③まとめの3部構成です。導入では、やさしい日本語を使うときのテクニックと共に、ある単語について「3文」で説明をする「3文クッキング」というアクティビティを通じて、やさしい日本語のマインドセットを伝えました。実践練習では、身近な場面(窓口対応)や、実際の区役所の業務内容に近い場面(マイナンバーの申請)を想定し、外国人住民役と日本人職員役に分かれたロールプレイを行いました。

 

ワークショップ後に行ったアンケートでは、「やさしい日本語を使った歩み寄りのコミュニケーションの大切さが理解できたか」という問いに対し、約84%の方から「非常にそう思う」、約16%の方から「そう思う」とご回答いただき、スキルだけでなくマインドセットの大切さも伝えることができたのではないかと思います。また、「グループワークはわかりやすかったか」という問いに対し、9割近くの方から「わかりやすかった」という肯定的評価をいただきました。

 

参加者からは、「外国人対応について深く考えるいいきっかけとなった」、「学生の明るい雰囲気で進めていただき、楽しく学ぶことができた」、「最初から簡単な日本語で話しても相手に失礼に当たる可能性もあるため、見極めつつ対応することが大切であると学んだ」、「やさしい日本語のコミュニケーションについて学ぶことができた」といったコメントをいただきました。

 

その他、グループワークの進め方などについて改善を求めるコメントも一部見られました。そうしたご意見を真摯に受けとめ、今後の活動に活かしていきたいと思います。

 

山脇ゼミによる中野区のやさしい日本語研修は、今年で5年目となります。国際日本学部が中野区に移転した2013年度以降、区長と留学生の懇談会、なかの多文化共生フォーラム、なかの生涯学習大学との合同ゼミなど、中野区との連携に力を入れてきた山脇ゼミにとって、中野区職員の多文化共生研修を担当させていただくことは、大変有難いことだと感じています。

今回のワークショップでは、昨年度の反省を活かし、参加者にとって扱いやすい題材を取り上げました。ワークショップは、非常に和気あいあいとした雰囲気で進行し、終始笑顔と会話が絶えないグループが多いことが印象的でした。一方、構成など細部の改善点がありました。今年10月に2回目の研修も担当させていただける運びとなったので、今後も改善を重ね、誰もが暮らしやすい「多文化共生のまちづくり」に貢献していければと思います。


(国際日本学部 4年 石丸純暉)