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国際日本学部

最先端の企業経営を学ぶために学生が企業を訪問しました(その3)

2023年01月26日
明治大学 国際日本学部

明治大学国際日本学部科目「教養講座B」の授業の一環として2022年度秋学期に企画した企業訪問の第3回(2023年1月13日)は、株式会社JERAでした。
同社は、東京電力と中部電力が出資する合弁会社で、発電、及び電力・ガスの卸販売事業のみならず、燃料の安定確保のため燃料上流・調達から国際物流などにも事業を行う、総資産額7兆円を優に超える世界トップレベルの電力事業者です。
当日のプログラムは、(1)横浜火力発電所に関する説明、中央操作室等視察、(2)JERAの紹介、全体戦略、及びダイバーシティ・インクルージョンの取り組み、(3)特例子会社JERAミライフルの職場視察、障がい者雇用に関する説明、(4)横浜ストロベリーパーク視察と盛りだくさんでした。
横浜火力発電所は、液化天然ガスを燃料とし、改良型のコンバインドサイクルという発電方式1軸37.7万キロワットの発電能力のある発電設備が合計8軸ある大規模なものであり、約100万世帯の電力需要に応えることができます。ガスタービンなどの更新により高効率化を実現(100の燃料投入でその55.8%が電力エネルギーとして出力される)するとともに、CO2排出量の大幅削減も達成しています。
視察は、冬季の電力需要が高まる夕刻にかかる時間帯でしたが、発電所の中央操作室を窓越しに見ている間に、それまで発電を行っていなかった発電設備が起動したところを目の当たりにしました。太陽光発電の出力が陽が陰ったことにより低下した状況を踏まえ、職員の的確な判断で起動、電力需給の調整を行ったためですが、発電所の視察が初めてだった履修生は一様に驚いた様子でした。
その後、障がい者雇用に取り組むために設立されたJERAミライフルの本社にて、JERAのダイバーシティ・インクルージョンについて説明を受けました。説明者はJERAの執行役員で、JERAミライフル社長の藤家美奈子さんらでした。女性活躍の促進という観点から、女性の採用を増やしながら指導的立場の女性比率の目標を設定、そのためのキャリア開発の支援を行っていることなどを教えていただきました。
またJERAが障がい者雇用を積極的に行うためにJERAミライフルを設立し、特別支援学校との連携のもと着実の雇用者数を増やしていることを踏まえた職場環境整備の状況を実際に視察することができました。
さらに、併設されている「横浜ストロベリーパーク」に場所を変え、障がいをもつ社員の皆さんが熱心に働いているパーク内を視察、いちごを試食させていただきました。ストロベリーパークは、横浜という大都市でいちご狩りを楽しめる施設として2018年にオープンしたもので、オール電化のハウスで温度や日射量などが管理され、一年中、新鮮ないちごを楽しめます。
現在は、土日祝のみ営業の完全予約制となっており、今回の視察が金曜日ということもあって、週末にお越しになるお客様のために清掃活動などに勤しんでいる社員の皆さんの仕事ぶりに履修生一同、感動しました。もちろん、いただいたいちごはとても美味しかったです。
今回のプログラムを通じて、電力というインフラ系の企業が私たちの生活を支えるだけではなく、障がい者に働きがいの感じられる就業の機会を提供するなど、先進的なダイバーシティ・インクルージョンの取り組みを進めていることが理解できました。
なお2023年度においては、「実践科目」のC、Dにおいて、企業人を招いたり企業を実際に訪問したりするプログラムを組み込んだ授業を行う予定です。

国際日本学部兼任講師 井上洋