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国際日本学部

なかの生涯学習大学と山脇ゼミが合同ゼミを実施しました

2024年09月05日
明治大学 国際日本学部

国際日本学部の山脇啓造ゼミ(多文化共生論)は、中野区主催の「なかの生涯学習大学」の多文化共生ゼミと、2024710日と717日に中野キャンパスで合同ゼミを開きました。なかの生涯学習大学は、中野区在住の55歳以上の方を対象に、現代社会の課題について学習するプログラムです。合同ゼミは2016年度に始まり、ほぼ毎年実施されていて、今年で8回目になります。例年は6月後半に開催されていますが、今年は中野区の新庁舎が5月にオープンした影響で、7月になりました。

今年度は12名の地域住民に参加していただき、初日は中野区の多文化共生について、2日目はマイクロアグレションについて意見交換しました。マイクロアグレッションは、日常生活に潜んでいる些細な偏見や差別を指しています。初日は山脇教授の多文化共生に関する講義の後、3年正副ゼミ長による中野区でのゼミ活動のプレゼンがありました。その後、41組のグループに分かれて、中野区の多文化共生をめぐる現状について意見交換しました。中野区で生活されている方々が日頃、多文化共生に関して感じていることなどを伺い、それぞれ異なる視点からの意見を交換することで、多角的な議論をすることができました。3年生を中心に15名のゼミ生が参加しました。

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日目には、山脇教授による情報の多言語化とやさしい日本語についての講義の後、41組のグループに分かれ、アンコンシャスバイアスやマイクロアグレッションについてのワークショップを行いました。山脇ゼミオリジナルのかるたを用いて、馴染みのないかもしれないこれらの言葉やその例について楽しみながら学ぶことができました。生涯学習大学の皆さんにかるたが好評で大変な盛り上がりとなりました。3年生を中心に約20のゼミ生が参加しました。

以下、参加した学生の感想です。

「今回は、初めて本格的に大人向けのマイクロアグレッションのワークショプを開催しました。興味や関心を持ってくださるか不安もありましたが、生涯学習大学の方たちがかるたを通じて楽しみながらマイクロアグレッションについて学んでくださっている様子を見ることができて嬉しかったです。また、マイクロアグレッションの定義やかるたのやり方について様々なアドバイスもいただくことができたので、この学びを今後の改善に繋げていきたいです。」(4年 稲葉紗也音)

「生涯学習大学との合同ゼミは、普段なかなか関わることのない方々と交流できるとても良い機会でした。生涯学習大学の皆さんは積極的に発言してくださり、今まで自分になかった意見を聞くことができたため、やさしい日本語やマイクロアグレッションに関しての視野が広がりました。また、改めてかるたの有効性を感じました。一緒にかるたをやった方々は、楽しみながらマイクロアグレッションに関して議論していただけだと思います。私も楽しみながら多文化共生に関する知見を広げられるコンテンツを作成していきたいという思いが強くなりました。」(3年ゼミ長 石田菜々美)

「生涯学習大学の皆さんには、ご自身の体験や考えに落とし込みながら考えていただき、ファシリテーターとして話を進めやすく、合同ゼミはとても実りのある経験となりました。マイクロアグレッションに関するかるたを通して、確かにこれは受け取り方によっては悲しく感じるかもしれないと思っていただいたのと同時に、その気づきを今後の生活にも活かしていきたいという前向きなご意見をいただくこともできました。また、大きく歳の離れた方々との会話の中で、どのような例が伝わりやすいのか、ファシリテーターとしての技術を磨く良い機会となりました。今後もこのようなワークショップを通して、マイクロアグレッションの概念や考え方を広めていきたいと思いました。 」(3年副ゼミ長 木内彬乃)

私自身も、ワークショップの司会をしてみると、客観的に見て分かりにくいと思う箇所や、これから深堀りしていくべき箇所が分かり、非常に勉強になりました。また、マイクロアグレッションについて学べば学ぶ程、誰かを傷つけるのが怖いと思うあまり会話に対して臆病になってしまうという意見もありますが、まずは慎重になりすぎずに多文化共生のマインドセットを持って学び続け、実践してみることが重要であると思いました。
 

(4年副ゼミ長 西村結衣)