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国際日本学部

国際日本学実践科目の履修生がJX金属株式会社本社を訪問しました

2024年11月19日
明治大学 国際日本学部

 2024年度秋学期の「国際日本学実践科目D」では、日本の資本主義、企業経営の特徴を浮かび上がらせるプロジェクト型の学習を進めています。そのため首都圏に所在する企業本社を訪問しレクチャーを受ける学外実習を4回、設けることにしました。
履修生は事前に各社の経営戦略やその実現状況について学習を重ね、それぞれの視点から質問を行えるようにしています。

その1回目は、東京虎ノ門に本社を構えるJX金属株式会社でした。10月22日の午前、同社のESG推進部を訪ね、同部の白井さん、山村さんよりお話を伺い質疑を行いました。

JX金属は1905年創業で、銅鉱山開発を始めた茨城県日立市が創業の地となる総合非鉄メーカーです。高い導電性により電子機器等に欠かせない銅を中心として、資源開発・製錬から先端素材の生産、リサイクルなど川上から川下まで多様な事業を営んでおり、近年、競争力の高い半導体材料・情報通信材料等の分野にシフトし、設備投資、R&Dを加速させています。

当日、参加した履修生は2年生、3年生の10名で、同社のショールームであるSQUARE LABやオフィスの見学、仮想現実(VR)を用いた佐賀関製錬所の操業現場の疑似体験などを通して、銅を中心とした非鉄金属素材がどのようなプロセスを経て社会に提供されているかについて理解することができました。

白井さん、山村さんからは、履修生の関心の高いテーマである「ESG経営の重要性」「ダイバーシティと働き方改革」について、合計40分ほどの講義を行っていただきました。また、履修生が進行役を務める形で質疑応答のセッションを設け、自主性を発揮した活発な議論が展開されました。
議論されたのは、環境負担の軽減、カーボンニュートラルの実現ヘの取り組み、とりわけ銅資源の枯渇を踏まえたリサイクル事業の推進、回収のための社会的なシステムづくり、ESG経営の基盤となる人材の育成、従業員が働きやすい環境づくり、様々な部署の従業員が交流しアイデアが浮かぶオフィスづくり、DXの取り組み、AIを活用した銅精錬のプロセス、製造現場での加工技術、品質の管理の工夫、さらには障がい者雇用を含めたダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの取り組み、地域社会ヘの貢献などで、極めて幅広いテーマで質疑が行われました。
最先端技術を駆使して社会に貢献する企業が、多様なステークホルダーとの関係を深めている状況に履修生は大いに刺激を受けました。
 (兼任講師:井上洋)