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演習(ゼミナール)紹介[鵜戸 聡 UDO Satoshi]

明治大学国際日本学部 演習(ゼミナール)紹介
鵜戸 聡 准教授
 UDO Satoshi
(担当科目)  フランス文化論 / (Lecture) French Culture Studies
(開講言語) 日本語 / (Language) Japanese
■演習テーマ / Theme

人文知と「近代」

 現在も私たちの世界認識に大きな影響を及ぼしている「国民」や「人種」あるいは「文明」や「文化」といった諸概念は、いつどのように形成され、世界中に広まっていったのでしょうか。また、西欧諸国との接触を通して「近代」を経験したアジアやアフリカの人々はそれをどのように認識してきたのでしょうか。さらにその延長線上で私たちはどのような時代を生きているのでしょうか。これらは非常に大きな問いではありますが、このゼミでは、19世紀から20世紀にかけて世界中で生まれた近代文学や映画を通してあれこれと考えてみたいと思います。最終的な目標は、卒業後も自分で本を読みながら「世界」と自分自身との関係を新しく結び直していくことができるような人文知を身につけることです。
 

■授業内容 / Activities
<3年次>
まずは議論の足がかりとして、春学期に入門的な『野蛮の言説』、秋学期に国民国家論の古典『想像の共同体』を会読し、人種論や国民国家論の基礎知識を養います。特にこれらの著作で文学作品がどのように利用されているのかに注目しつつ、様々な文学作品や映画に触れてみます。世界的に読まれた西欧文学でもいいし、その影響下に書かれたアジア・アフリカの作品でもいいでしょう。その過程で、背景となる歴史や文化の知識、テクストの緻密な読解方法を学び、小発表を通して論理や表現の訓練を行います。希望があれば街を一緒に歩いてみてもいいでしょう。
<4年次>
各自で自由にゼミ論のテーマを決め、プレゼンや草稿の共有を通して第三者の観点を参考にしつつ、「自分は気づきつつあるけれども必ずしも他の人には明らかでないこと」をより明確に論じる訓練を行います。