博物館を支え、リードする人になる
学芸員養成課程
学芸員とは,社会教育機関である博物館,美術館,資料館,動物園,植物園,水族館等の各種博物館で働く専門職員のことで,これは博物館法に定められています。
主な仕事は,専門分野の調査・研究,資料の収集・整理・保管・展示,博物館利用者へのアドバイス,地域住民への生涯学習の指導・助言等,幅広い職務をこなします。ゆえに,高度な専門的知識と技能を持つ学芸員の有無が,当該館の評価を左右するとも言われます。学芸員は博物館を支え、リードする存在なのです。
本学では,1956年に学芸員の講座を開設して以来,5,000名を超える有資格者を送り出してきました。日本の大学の中では初期から学芸員養成を担っています。就職面では広き門とは言えませんが,これまでに750名以上の卒業生が博物館や地方自治体の文化財関係等で活躍しており,本学学芸員養成課程への評価は高いものがあります。
学芸員養成課程での講義や実習は,そのための入門でしかありません。と同時に,そうした仕事をする基礎として,それぞれの専門分野・専攻分野の研究の力を身に付け養うのが重要であることを,充分に認識する必要があります。
つまり,学芸員は博物館に関し「総括的」であり,同時に,専攻分野に極めて「専門的」でなければならないのです。
また,地域の生涯学習機関として充分な機能を果たし,歓迎される博物館を模索し,また,学校教育との関連等を考えながら,わが国の博物館の活動を改革し,世界の水準に劣らない博物館を作りあげていくことも学芸員の役割となります。とても遣り甲斐のある仕事となるはずです。
単に学芸員養成課程を受講し,資格をとるというものではなく,自分から積極的に博物館とのあるべき姿を研究し,「日本の博物館を良くしていくのは自分たちだ」という気概を持って,当課程に臨んでもらいたいです。
大学院で博物館学を研究する
明治大学では,博物館学の高い専門性を身に付けた学芸員を育成するため,大学院文学研究科臨床人間学専攻臨床社会学専修臨床教育学コースにおいて,博物館そのものの在り方を追究する博物館学の教育カリキュラムを開設しています。日本の大学には博物館学を専門とする研究者が少なく,将来の学芸員養成課程を支える担い手も求められています。世界中の全てがフィールドとなる博物館学を共に研究しましょう。
博物館出前講座の実践(2019.6.10)
発掘を体験しよう 縄文土器をさわろう 縄文土器のように文様をつけよう 博物館の様子を探ろう