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カリキュラム紹介

英語学のカリキュラム

カリキュラム構成
 英語学関連科目のカリキュラム構成は、以下の表のようになっています。
 まず、1年次に「英語学概論A・B」を履修し、英語学全般の基礎的な事項(音声学・音韻論・形態論・統語論・意味論・語用論・言語習得・英語史など)を概観します。
 2年次では、音・統語(文法)・意味という、英語学の基礎的な分野について、「音声学A・B」、「統語論A・B」、「意味論A・B」の履修を通じて身に付けます。さらに、「英米文学演習(2年)」では、全6クラスの中で2クラスが英語学に関するゼミナールとなっていて、英語で書かれた英語学の文献を読み発表し、議論ができるようなトレーニングの場としています。
 3・4年次では、「英語学研究A・B」(現在は4クラスで、内容は中級音声学・中級統語論・コーパス言語学)、「音韻・形態論A・B」、「語用論A・B」、「英語史A・B」、「社会言語学」、「心理言語学」を用意し、2年次までに学習したことをさらに発展させることができるようになっています。さらに、「英米文学演習(3年)」と「卒業論文指導」があり、それぞれ3クラスずつが英語学関連のゼミナールとなっています。3・4年次ゼミナールは、学生数10名前後の少人数で行っていて、すべて専任教員が担当しています。それまでに身に付けた英語学に関する知識をさらに発展させながら、3年次ゼミナールから4年次での卒業論文作成までスムーズに進むことができるよう配慮しています。さらに、3・4年次学生では、「海外現地研修B」(集中講義)があり、7月初旬に英国・ロンドン大学(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン, University College London)の言語学サマースクール(コーパス言語学および統語論)に参加することもできます。
 明治大学文学部では大学院(文学研究科)との連携も制度化されていて、さらに英語学について深く学びたい人は、その制度を利用し大学院で開講されている英語学関連科目を履修することも可能です。
カリキュラムの特徴
 カリキュラムの特徴としては、日本の他大学でよく見受けられる「英語学講読」、「英語学特別講義」などの汎用的な名称の科目を出来るだけ廃止し、それぞれの科目に(「音声学」、「統語論」、「意味論」などの)特定の名称(「英語学研究A・B」には副題)を付け、各科目のレベルと内容に関する役割を明確にしている点にあります。英語学は、大学入学前には触れることのない「全く新しい」学問分野ですから、それを身に付けるためには、基礎的事項からより専門的な内容まで一歩一歩確実に身に付けることができるような、段階的・系統的な教育が必要となります。このような段階的・系統的カリキュラムは、欧米の主要な大学では当然のこととして以前から広く行われていますが、日本で採用している大学は未だにあまり多くありません。その点、明治大学文学部では、国際的基準を満たす充実した英語学の教育が受けられるものと自負しております。
 さらに、文学部文学科の日本文学専攻及びフランス文学専攻には、日本語学(国語学)・フランス語学を専門とする先生がおられ、日本語学(国語学)・フランス語学に関する科目が開講されています。明治大学文学部では、所属する専攻(皆さんの場合には英米文学専攻)以外の科目も比較的自由に履修することが可能なカリキュラムになっています。日本語学(国語学)・フランス語学の科目を履修することにより、英語学に関する理解もより深めることができるようになっています。
開始年次 講義科目 ゼミナール
1 「英語学概論A・B」  
2 「音声学A・B」
「統語論A・B」
「意味論A・B」
「英米文学演習(2年)」
3 「英語学研究A・B」
(中級音声学・中級統語論
コーパス言語学)
「音韻・形態論A・B」
「語用論A・B」
「英語史A・B」
「社会言語学」
「心理言語学」
「海外現地研修B」
大学院科目
(上級音声学・上級統語論
上級コーパス言語学・上級意味論)
「英米文学演習(3年)」
4 「卒業論文指導」
英語学関係科目
1年次(講義科目)
英語学概論A・B 石井 透
この授業では英語学という分野全体(音声学、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、英語史など)を概説し,
皆さんが興味ある分野に進むための基礎的な内容を身に付けることを目的としています。
2年次(講義科目)
音声学A・B 新城真里奈
日頃無意識に発音している日本語の音に対する認識を踏まえつつ、英語の音体系の理解を目指します。綴り字と発音の関係・英語の標準発音などについて基礎的なことを学んだ後に母音と子音を扱います。さらに、音声の連続において生じるさまざまな現象も学習します。
統語論A・B 久保田俊彦
統語論の目的と方法論を習得するための入門コースです。具体的な言語の使用例(データ)から,その背後にある構造,規則(ルール)を一般化して導く方法を学びます。
意味論A・B  岩﨑永一
意味論の基礎をバランスよく学びます。個別のトピックを通じて意味論の分析手法・言語事実の分析手法を学びます。特に、実際の文例を丹念に見ることを重視します。意味論Aでは変項に基づく理論、意味論Bでは認知言語学も扱いますが、その他の理論も含めて幅広く学びます。
2年次(ゼミナール)
英米文学演習(2年)A・B  岡部了也・松崎由貴
英語で書かれた英語学の基本的な文献を理解し内容を発表する過程を通して、言語学という学問分野での対象(言語事実)の捉え方、問いの立て方、議論の展開のしかたなどを専門用語の用い方と共に身に付けることを目的とします。
3・4年次(講義科目)
英語学研究A・B(中級音声学) 新城真里奈
2年次の「音声学 A・B」での学習内容を踏まえ,英米における発音の基礎的知識を得たうえで音素論の原則を理解します。英語の音節構造を把握したうえで、これにもとづいて語強勢・リズムを理解します。さらに音声の連続・イントネーションについて学び、最後に世界の様々な地域で話される英語の発音についても概観します。
英語学研究A・B(中級統語論) 石井透
このクラスでは,英語を中心に様々な言語の統語について扱い、その分析を行うことを通じて統語論の基本的事項(構成素、述語と項、移動規則とその制約、再帰代名詞・代名詞の解釈など)を少しずつ身に付けていくことを目的とします。内容としては,2年次の「統語論A・B」の続きになります。
英語学研究A・B(コーパス言語学) 久保田俊彦
英語学的視点から「文体」を扱います。Henry James, V.S.Naipaul, Adam Hall, H.G.Wells, JohnWain, Samuel Beckettのような作家たちが,文法的な仕組みを駆使して、作品内容を効果的に演出し、独自の「文体」を作っていることを確認していきます。
音韻・形態論A・B  田端敏幸
英語や日本語に関する音韻論・形態論の考え方を学び,言語を理論的に見る目を養うことが授業の目的です。音韻論は「分節音」・「音韻素性」・「音節」・「モーラ」・「フット」といった理論的単位に基づいて個別言語の音型や言語間に観察される共通性を追求することが目的です。形態論は語の内部構造を検討する分野です。どのような仕組みで「語」が組み立てられるのかといったことを音韻論との関係で検討します。
語用論A・B  萩野博子
ことばによって話し手は意図を伝達しますが、発話された文の意味が聞き手によってどのように理解されるかは状況や文脈によります。また使われた語自体の意味だけでなく、示唆された意図も推察する必要があります。外国語使用や異文化コミュニケーションにおいては、言語体系・文化的背景もかかわってきます。このような言語表現と解釈の研究である語用論の基本概念を学びます。さらに、発話行為の分類、会話分析、丁寧さの表現や談話分析、文化とのかかわりなどについて学びます。
英語史A・B  中村幸一
英文テクストの大意を把握しながら、適宜説明を加えつつ古英語から初期中期英語、そして初期近代英語に至る英語の歴史を、適宜説明を加えつつ概観します。なるべく直接原典や写本にふれる機会を作る予定です。
社会言語学  水澤祐美子
社会言語学とは、社会において言語が実際にどのように用いられているかを研究する言語学の一分野です。この授業では社会言語学入門として、この分野における代表的な研究者の研究を紹介しながら、基本的な概念を中心に解説します。
心理言語学  磯部美和
この授業では、子どもがどのようにして、わずか数年のうちに抽象的で複雑な母語を身につけるのか、という問題を取り上げます。生得的にヒトの脳に内在すると仮定されている言語の知識(普遍文法)について解説し、英語・日本語の獲得を中心に様々な言語獲得研究の成果を概観し、議論していきます。
 3年次(ゼミナール) 
 英米文学演習(3年)A・B新城真里奈担当  新城真里奈
それまでに身に付けた英語学に関する知識を、ゼミナール形式でさらに発展させることを通じて、4年次での卒業論文作成へのステップとなることが目的です。
2年次に学んだ音声学を楽しみながら深めていきつつ、言語に関する英語の文献を読む力を養うことを目的とします。初心者のために書かれた音声学書である Practical Phonetics and Phonology を読み、実際の音声を CD で聴きながら、英語音声学の基礎から始まって、英語以外の言語の音声,世界の諸地域の英語の発音や歴史上の音変化、さらには外国語学習や聴覚障害者教育と音声学のかかわりにいたるまで、音声に関するさまざまな事柄を考えていきます。
 英米文学演習(3年)A・B石井透担当  石井透
それまでに身に付けた英語学に関する知識を、ゼミナール形式でさらに発展させることを通じて、4年次での卒業論文作成へのステップとなることが目的です。
この授業では、英語の統語・意味についての現象はどのように分析出来るのかということを,統語論・意味論の基本的な概念を身に付けながら見ていきます。さらに、英語と日本語との比較についても扱います。英語の命令文・疑問文・受身文・再帰代名詞などの統語的・意味的分析と、日本語との比較を中心に進めていきます。英語の Yes/No と日本語のはい/いいえとの違いや、時制の日英語比較なども扱う予定です。
 英米文学演習(3年)A・B久保田俊彦担当  久保田俊彦
それまでに身に付けた英語学に関する知識を、ゼミナール形式でさらに発展させることを通じて、4年次での卒業論文作成へのステップとなることが目的です。
コンピュータ・コーパスと呼ばれる言語データベースを使った研究の実践を行います。既成のコーパスのほか、映画スクリプトなどから作る自分専用のコーパスを利用して研究を行う方法を紹介します。次のような講義内容を含める予定です。1. コーパスとは 2. テキストからなるコーパスとその構築・応用 3. 文法タグの付与されたコーパスとその構築・応用 4. 構文情報の付与されたコーパスとその構築・応用 5. コーパスの研究への応用 6. コーパスの教育への応用 7. 代表的な公開コーパスとその使用 8. その他の計量的研究方法  
4年次(ゼミナール)
卒業論文指導  新城真里奈、石井透、久保田俊彦
ゼミナール形式と個人指導を組み合わせて、卒業論文作成を目指します。

3・4年次集中講義
海外現地研修B  久保田俊彦、石井透
ロンドン大学(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン, University College London)主催の「コーパス言語学サマースクール」に参加すると共に、明治大学からの参加者だけを対象とするによる「統語論特別講義」を受講します。「コーパス言語学サマースクール」の一部と「統語論特別講義」は、バス・アーツ(Bas Aarts)教授が担当します。バス・アーツ教授は英米文学専攻の2年次「統語論A・B」及び3年次「英語学研究A・B(石井担当)」のクラスで使用している教科書の著者であり、「統語論特別講義」はこの教科書の内容に沿ったものです。 
 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンはロンドンの文化的中心ブルームズベリー地区(Bloomsbury)に位置し、大英博物館(The British Museum)・大英図書館 (The British Library)なども徒歩圏にあるため、講義以外の時間を利用し文化施設等の見学も行います。
 
文学部